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敵はほんとうに本能寺にいたのか。

あゆみ

そういえば、昔の彼はとってもゲーマーでした(変な日本語ですね…)。
RPGは発売と同時に買ってクリアするまでは家から出なかったり、
ウイイレをひと晩中やり続けてソファで寝落ちしていたり。

ふだんはバリバリの仕事大好き男でしたが、
それと同じくらいゲームにも熱中しており、
そんな彼を突き動かす魅力に彼女である私はかすかな…
いや結構な嫉妬を覚えていたように記憶しています(笑)


あれから十数年。ゲームは家でやるものではなく、
スマホで、いつでもどこでも気軽にできるものになりました。

私も某ツム○ムをやるのですが、テレビ画面ではなく
手のひらにおさまるスマホ画面でやり込むゲームは、
「ひとりで楽しむもの」感がより一層強いので、
みんなもそうなのかな、と勝手に思っていました。

ある日、CMを観ました。
私でも名前を知ってるスマホゲームのCMです。

なぜか、とてもぐっときました。
そして勝手に「ゲームの意味」みたいなもんを
ひとつ見つけたような気持ちになりました。

そのCMが、これです。

モンスターストライク(モンスト)TVCM 部下篇「光秀の場合」 30秒+上司篇「信長の場合」 30秒

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【モンスターストライク(モンスト)TVCM 部下篇「光秀の場合」
30秒+上司篇「信長の場合」 30秒】

誰でも知ってる明智光秀と織田信長。
日本中の誰もが「仲が良くなかったんだろうな」
「さぞや腹にすえかねた年月があったんだろうな」と
想像してしまう2人です。

それが、モンストを一緒にやったがために
お互いがお互いに抱いていた先入観が変化してしまいました。
この後、本能寺の変が起こらなかったのは想像に難くありません。

「だってまあCMだしwwww」確かにそうかもしれません。
でも私はこれ、すごくいいCMだと思うのです。

だって、こういう相手、実生活で1人や2人、いませんか?

「とにかく苦手。なんか声でかいし、無神経だし」
「なんかイライラするんだよね。
 つきあい悪いし何考えてるか分からないし」
そう確信した場合、現実ではこの印象から
先に一歩踏み込む機会ってほとんどなかったりします。


私がけっこういい年になって気づいたこと。それは
「遠くから見れば見るほど、相手はモンスターに見える」てことです。

苦手だな…と思って触らないと、心身の距離は遠くなります。
そうすると相手のイメージはどんどん悪い方に膨らんでいきます。

こういう時は「直接サシで話してみる」が、唯一の突破口。
嫌だなーと思いつつ思い切って踏み込んでみると、
「あれ?意外と悪い人じゃないかも」なんてことがある。
もちろん「一気に意気投合!」なんてミラクルは起こらない。
だけど、確実にこれまでとは見方が変わったりします。

遠くで見ればモンスター。
近くで話せばふつうの人。

「…分かるけど、いきなりサシで腹割るなんて無理無理!」

まあ、それも分かります。
だから、ゲームなのかもなと。

スマホゲームって、たった1人で楽しむだけじゃなく
こうして誰かと協力したりして、楽しむことができるわけです。
そんな世の中的には当たり前のことを今さら再確認したのですが、
モンスターストライクは特に、実際に人が集まってワイワイと
楽しむゲームなのですね。

それならば、たとえ腹を割った会話をしなくても、
戦いの中でお互いの特技だったりキャラだったり、
もっというと責任感や勇気や優しさなんてものも、
じんわり伝わることもあるかもしれない。
それが、ゲームの醍醐味や意義の、ひとつの側面かもしれないなと。


「敵は本能寺じゃなくて、
 モンスターストライクの中にいました」

この光秀のセリフ、実生活でも心に刻んどくと
いい言葉なんじゃないかな、と私は思うのです。


世の中をつまらなくするいちばん簡単な方法は、
「世界を自分と自分以外に分けること」です。
それはVS(バーサス)のかたちをつくり、戦いを起こしやすくします。

そんなことよりも、スマホの中の
モンスターにその役を振って、全力で倒す。
それでいいんだ、と思います。

だから私はこのCMと、モンスターストライクは
なんだか好きだなと思うのです。

(執筆者: 近藤あゆみ)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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