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幸せの合間で、いいから。 ~モンストがCMで伝えたい意外なこと~

あゆみ

クリスマス、終わっちゃいましたね。

私が「歌う私小説家」と勝手に名づけた
大好きな大江千里(若い方はご存じないか…?)は、
かつてこんなふうに歌っていました。

「子供の頃のクリスマスには 人の倍ほど早起きしたのに」

そう。子供の頃はわくわくする何かが起こりそうな予感に
いてもたってもいられず、当日を死ぬほど楽しみにしていたのに
いつからこんなに平常運転になってしまったんでしょう。

そしてお正月も同様。
子供の頃は大イベントだから家族みんなですんごい楽しむぞー!
と思っていたのに、今や「大そうじ全部終わったっけ…」だの
「(夫婦)それぞれの実家、どういうスケジュールで行くか…」
だの「ToDo」をどんどんこなしていく日になっちまいました。

そんな中、今日放映開始したばかりのこのCMを観ました。

モンスターストライク(モンスト) TVCM 幸せの合間に〜お正月〜篇 30秒

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面白い!
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感動!
モンスターストライク(モンスト) TVCM 幸せの合間に
〜お正月〜篇 30秒


大きな造り酒屋。獅子舞、羽子板、凧揚げ。
古き良き日本のお正月の風情は、寒風すらも清々しい。
そこに立つ女の子たちは今どきな着物の着こなし。
その可愛い着物の袖を元気よくまくり上げ、
彼女たちはモンストをやっているんです。

え、なぜ晴れ着でモンスト?と思ったら、酒屋さんから
男子チームが樽酒や門松、おせちの包みなど抱えて
「お待たせ―♪」とにぎやかに出てくる。
そうか、これからみんなで新年会なんだね。
初詣の帰りなのかな…楽しそうだなぁ…。

ああ、リア充も甚だしい!


ちなみについ先日まで流れていた
同じモンストのクリスマス篇がこちらです。

モンスターストライク(モンスト) TVCM 幸せの合間に〜クリスマス〜篇 30秒

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モンスターストライク(モンスト) TVCM 幸せの合間に
〜クリスマス〜篇 30秒


背後のお店のイルミネーションや街並みが細部に至るまで美しく、
外国のクリスマスみたいな風景に、雪が舞っています。

そんな中でモンストをしている男子4人。
雪にもかまわず、手袋をはずして楽しそうにプレイしてます。
(先ほどの着物の袖のまくり上げとの見事な対比ですね)

「さては男だけのさみしいクリスマス…?」と思ったのもつかの間、
お店からツリーやらプレゼントやらを抱えた女子たちが出てきて、
みんなでワイワイ(おそらくクリスマスパーティーへと)去ってゆく。
お正月篇とクリスマス篇、同じ男女8人組による
素敵なカップリングCMです。

このキラキラ感、「リア充爆発しろ」のやっかみが
ちまたから挙がっても不思議ではありません(笑)



しかし私は不思議でした。
この節、スマホゲームのCMはとにかくテレビに溢れていて
「こんなゲームなんです!」「こんな特典が今なら!」
としのぎを削っている中、このモンストのCM、
ゲーム色はおろかモンスト色も無さすぎじゃない?無欲?

というわけでミクシィに出かけてゆき、直接聞いてみました!


「我々、(CMで)ゲーム画面をあまり出さないとよく言われます(笑)」
とはXFLAGスタジオの担当者の方。

「ゲームそのものやダウンロードを訴求したいというより
『遊び場を提供したい』という思いが強いですね」

なるほど。
クリスマスやお正月にぜひ皆で集まってモンストをやってね!と。

「いえ…メインにモンストを!という提案はしていないんです。
 ちょっと現実的ではありませんし。それよりも『みんなで
 集まる機会があるなら、そのスキマ時間にやってね』と」

そう、よく観ればこのお正月篇もクリスマス篇も、
パーティーの準備中のわずかな待ち時間にやってるんです。
「本腰入れてこたつで向かい合って、いざ!」って感じじゃないですね。

「去年のCMはこたつシーンだったんですが、
それもお正月のメインイベントじゃないんです」

去年のお正月CMでは、カメラが家の中を移動してゆきます。
カラになったお皿や飲み残しのグラス。
遊び散らかした後のかるたやボードゲーム。
そして最後にカメラがたどり着くこたつに、家族がいます。
食べて、飲んで、ひとしきりお正月らしい遊びをした後の、
ちょっとくたびれた、まったりした空き時間。
そこで、モンストをやってるんですよね。

「はい。ちょっと手持ちぶさたな時、やることがなくなった時、
 どこにいたとしても、周りにいる人と気軽に遊べるよ、
という体験をリアルに見せてゆきたいんです」


協力プレイ、4人共闘プレイと言われるゲームは
DSなどハードが必要なものには既にありましたが、
スマホではまだなかった。
そこに先鞭をつけたのがモンストなのです。

「だからなのかもしれませんが『スマホでゲームをやることは
暗くないしダサくない。仲間と一緒に楽しい時間が過ごせたり、
こんな良さもあるんだよ』ということをすごく伝えたいんですね。
 年末年始は、新規ユーザー獲得のためのCMではなく、
 ブランディングをするCMが作りたかった」

リアリティを出すために、有名なタレントさんはあえて使わない。
だけど観ていてどこか「いいな、素敵だな」と思ってもらうために、
背景やシチュエーション、細部にはこだわって作り込む。

だから、若者が「ちょっとしたスキマ時間」にやっているという
リアルなシチュエーションなんだけど、全体の画は現実よりも
ちょっぴり素敵でキラキラしてるんですね。


同じくモノやサービスを売る仕事をしてきた者として、私も頷けました。

何かを売りたい時、お客さまに買ってほしい時。
製品の効果効能やスペックをアピールするよりもまず、
「それを使うことによって、その人の生活がどうなるか」
を伝えないと、ひとの心は動かない。

モンストのCMが描いたのは、まさにそれ。

ゲームそのものがバリュー!ではなく
仲間とゲームをやるそのちょっとした体験や思い出が、バリュー。

そんな世界観を描き続けるモンストのCM、
今後も注目してゆきたいです。

(執筆者: 近藤あゆみ)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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