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「ダサピンク」なレッテルに、NOと言いたい。

あゆみ

私がネット、特にSNSを回遊していて最近ひしひしと感じるのは、
これまで「◎◎ってこういうもん」という常識としてまかり通っていた
ものが音を立てて崩れ、変化しているということ。

そしてそれを皮膚感覚できっちり感じている人と、
まったくついて行けてない(またはついて行きたくない)人で
どえらい差がついてるなあということです。


その筆頭が「女性についてのとらえ方」だと思っています。

この国のトップが提唱している「輝き」と
そのための施策や提案が、当の女性たちには全く響かず、
それどころか「いい加減にしてよ」的なため息しか
押し出させていないというギャップは、その最たるもの。

身近なところでは「ダサピンク現象」なんてのも言われてます。

(解説すると「女ってピンクが好きなんでしょ?」
「どうせ可愛らしくて恋愛要素入ってるのが好きでしょ?」
 という浅~い認識でつくられたモノが残念な出来になり、
 実際の女性たちには全く響かない、という現象です。
 宇野ゆうかさんという方の見事な命名。
「ピンク=ダサい」という意味には非ず)


そのダサピンク的なレッテルを振りかざす男性に対し
「そうですね…あはは…」なんてつくり笑いしながら、
内心は「今どき何ゆーてんねんボケカス!」と毒を吐く。
それが現代女性(※年齢問わず)の哀しみであります。


そんな女たちの哀しみをリアルに描いたCMがあるんですよ。

麻生久美子さんのクールな美しさとあたりさわりのない笑顔が
かえって内心の煮えたぎる怒りを想像させる、あのシリーズです。

パピレス Renta! TVCM 俺のオススメ編 30s 30秒 (詳細)

HA
面白い!
好き!
感動!

最近よく放映されてるこれ。
観た瞬間「いるわー!こういう男いるわー!」と叫びました。
「趣味は読書」と言いながら蔵書が全部ビジネス書な男。
意識高いけど情緒あまりなさそう。

本を使って頭ポン、のシーンのリアルさは秀逸で
「ったく無邪気だよなあ女は…俺が意識高めてやんよ(フッ)」
て心の声が感じられ、麻生さんでなくても拳、握りますわ。

(余談ですがこの設定、どこなの?一時停止して凝視してみたら
締切厳守の文字、出版物のポスター、清掃員さん。
ちいさな編集プロダクション…?とにかく会社なんだろうな)


このシリーズの第一作めはこちらです。

Renta! TVCM やってらRenta!編 30s

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    • 0
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面白い!
好き!
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こちらは「んーここまで無礼な男はいるだろうか…」
と正直疑問には思ったんですが、マンガ好きを標榜する男性でも
聞くと「少女マンガ?お目目キラキラ恋愛ものだろ?
読む気しなくて(半笑い)」みたいな答えが返ってくること、あります。

しかしそのあたりがフラットな男子にベルばらなんか貸してみたら
「なぜもっと早く読まなかったんだろう…読まず嫌いしてて損した」
って言ってました(笑)

こちらのCMを観て即座に脳裏に浮かんだのが
松田奈緒子さんの「少女漫画」という短編集です。

その中でまさに少女漫画を読みもせずバカにする
男性漫画家たちに、ある女性漫画家が言います。

「女は少女マンガも青年誌も読むけど、
 オトコは女性漫画誌を読まない。
 それは面白くないからじゃなくて
 男は自分達の価値観に女が近づくのはかまわないけど
 自分達が女の価値観に近づくのは絶対にイヤなのよ」

これはキツいけど的を射ている言葉だと思いましたが、
男性の皆さんはどう思いますか…?


ビジネス書の方がマンガよりレベル高い。
少女マンガは浅くくだらない。女は恋愛が至上。
…そんな「昔の常識」、かなりイケてないっス。

そんな思いを意地悪く描いたこのCM、
好き嫌いはともかく、わりと画期的だと思っています。


さまざまな「フツーこうでしょ」な常識が変わっていく現代。

それは別に「急に変わった」わけではなく、
「これまで当人たちが黙って耐えたりスルーしていたことを
声に出してノーと言い始めた」ということだと思います。

その変化が都合が悪い、受け入れ難い、となっても
第三者が「昔は良かったのに」「それは異常」などという権利は、ない。

もちろんそれは女性に関してだけではなく、
「男子たるもの」についても認識を変えるべきだし、
仕事、家事育児、そしてLGBTについてもそう。

私たちは皆「自分はこのCMの中の男たちになってやしないか」を
いつも気をつけなくちゃいけない時代だ、と思うのでありました。

(執筆者:近藤あゆみ)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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