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「何があっても前を見て、ただ前を見て」 ~泣いた女たちの心意気~

あゆみ

夢やロマンを表現するよりも、
機能性やおトクぶりを説明する。
時代の変化と共にそんなCMが増えてきてからは
あまりなかったことでしたが、
先日「CMを観てグッときて思わず泣きそうになる」
という経験をしました。

それは、このCMです。


ソフトバンク Google Play Music CM

HA
面白い!
好き!
感動!
ソフトバンク CM 「変えてやる」篇

これは30秒バージョンなので、多部ちゃんの
「失った恋」の内情が少し伝わります。
(聴く音楽や服装、けっこう無理してたんだな…)
だけど私がテレビで観た15秒バージョンは
それらがほぼ分からないままだったので、
その短さゆえに、余計に心に刺さりました。

グッときた理由は、
強烈に昔の思い出とリンクしたからです。


一緒に暮らしていて結婚も約束していた彼が
突然出て行った時、終わりを予感していなかった私は
心身共に大層なダメージを食らいました。

その時に気づいたんですけど、
人って、本当にダメージ食らった時は
「音楽」と「本」を受け付けなくなるんですね。

それがネガティブだろうがポジティブだろうが、
人の営みや感情を歌い、綴っているものは
一切、消化できなくなるんです。
まるで心の胃炎か拒食症のようでしたよ。

ただただ、かなしい。何もしたくない。
そういう気持ちだけをひたすら反芻して
泣きっぱなしでいつまでも寝転んでました。

でも面白いですね。
そこからようやっと起き上がろうと思った時に
最初に心身に入ってきたのは「音楽」でした。

忘れもしない、BUMO OF CHIKENの
「オンリーロンリーグローリー」。

「そしてその身をどうするんだ」
「死んだ心をどうするんだ」と問いかける歌詞は
最初から最後まで「おいおい、私のために歌ってるよね?」
と思えるような内容でした。

「選ばれなかった名前を呼び続けてる光がある」

失った男と生活への悲しみではなく、
歌いかけてくれることばの温かさと
背中を押してくれる手の強さに、泣きました。

そこから少しずつ元気になり、新しい部屋を探して引っ越し、
新しいひとりの生活を始めるのと同時に、音楽も活字も、
新しい顔をしてどんどん私の中に飛び込んできました。

それはそれは、幸せでした。
「新しい私を生き始めるぞ」というわくわくと
まっさらな自分がものすごく楽しかったのです。

だから「3,500万曲と、生きてやる。」というこのCMコピーも、
嘘くさくなく私の中に入ってきました。

ふんわりと男ウケする服装と彼好みの音楽。
そこから決別して自分らしい服装と音楽で
闊歩する多部ちゃんはものすごくかっこいいです。

だけどふと立ち止まってスキを見せると、
思い出が押し寄せてきて、涙を押し出してしまう。
まだ傷は、生乾きなのですね。

だけどひとは、ことに女性は、最後には強いのです。
その傷を乾かしているうちに、前より強く再生していく。
そして過去を見事に忘れ去って(笑)自分の足ひとつで歩くようになる。
女性はそうやって傷を増やし治しながら、
「自分らしさ」を形づくっていくような気がします。

そういえば、最近観たばかりのこちらのCM。
女性に響くことばが綴られていました。

ディスコ キャリタス就活2017 CM「プラス決意」篇 30秒

HA
面白い!
好き!
感動!

キャリタス就活2017 CM「プラス決意」篇 30秒


「誰かと同じはもう終わり」
「私の代わりはいない」
「私の未来は私のもの」

そして、ラストのコピーは

「誰かに選ばれるんじゃない。
 私が未来を選ぶんだ。」

これ、就活だけじゃなく、
恋愛でも結婚でも仕事でも人生でも、
女性が生きていく上で、
とても大事な心意気だと思いませんか。

どちらのCMの女性も
「自分が自分の手で、次の未来を選ぶ」と決めたひと。

いま悩んだり泣いてたりするすべての女性が
いつかはこうして強いまなざしで、前を向けますように。

(近藤あゆみ)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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