ウェブマガジン CM Funコラム

母と子の絆に、やられました・・・。
元イクメン編集長、大いに語る。

岡田直也

どうにも記事が書きたくてたまらなくなったCM、見つけてしまいました。
CMって基本的に、超リアルか、それともどっか狂ってるか、
そのどちらかが強い、と思うのですが、
今回ご紹介するのは、かなりリアル方向に振りきったモノです。

サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」 (詳細)

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面白い!
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サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」

理想の母親 (詳細)

  • 広告主
    • バンホーテン
  • サービス
    • 企業CM
  • ビュアー
    • 2,429,965
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こういうのを見せられちゃうと、母と子の絆ってすごいな、
父親に割ってはいる余地などないな、と思ったのはぼくだけ、だろうか。。
そんなこと言って、おまえは世の夫たちの肩を持っているのか。
育児参加しないための口実を語ってるだけだろ、とツッコまれそうですが。
そういう批判は、甘んじて受けましょう。
受けたうえで、これらのCMは、日本の育児まわりの現状を、
かなりリアルに描きだせているのではないでしょうか。

そして、Mother and Child Reunionも、たしかに存在すると思います。
さらに言えば、こういう人たちこそが、日本社会を回しているんだ、とも。

ひるがえって考えれば、いまの世の中は、
彼女たちと対極をなすところだけに、手厚い支援が届いているわけで。
つまり、経済団体の提言にのっとって、
大企業にまず儲けさせようとするのが、アベノミクスとすれば、
それって、彼女たちの現実からは、もっとも遠い世界です。
でも、逆じゃないのか? 10年先、20年先のことを考えたら、
まず彼女たちを、まっ先に手当すべきではないのか?・・・
ぼくは、そんなところにまで思いが及んでしまいます。
(あいかわらず、パートナーのなすべきことを「棚上げ」してるなあ)
 
「夫も育児参加しよう」「イクメンを増やそう」みたいな、
予定調和的なことでは解決できない、
もっともっと重たいものを垣間見たような気がするわけです。

つまり、いまだに「右肩上がり」を夢見て、
株価や成長率といった、短期の経済指標だけをよすがとする、
男性発想というのかな、それだけで国のカタチを描こうとする考えでは、
もうこの日本は立ちゆかなくなっているんじゃないか、ということです。

かくいうぼくらも共働き夫婦、かつてはイクメンでした。
保育園の送り迎えなど、できる範囲でやっていたつもりです。
(もちろん、休暇なんかは取ってないですけどっ)
でも、妻にかかる負担は、フィジカル・メンタルの両方で、
ぼくの100倍はあったと思ってる。
そこは、いまでもすこし負い目、なんですよ。
もっと出来たはずだよな、ってね。

そこで思い出すのは、あのイクメン宮崎元議員が不倫騒動で辞職したとき、
首相がたしか「両親そろってきちんと子どもを育てる。そういう家庭が・・・」
みたいなこと言ってたけど、ぼくは、なんだそりゃー、って思いましたね。
両親そろっていなければ、あるまじき状態―不完全な家庭なのか?
こういう発想は、きわめてキケンですね。
現実には、いろんな形態の家族がある。
紹介したCMに登場する母親のなかに、シングルマザーがいるかも知れないし。
多様なタイプの家族・親子があることをちゃんと認め、
それぞれの尊厳を守っていくことが、すべての出発点だと思うのに、
為政者は、型に押しはめるような、まるで反対のことを言ってる。
こういう現状を見るにつけ、この国はほんとうに大丈夫か?と思うのですよ。


いやいや、かなりCMを逸脱してしまいました・・・。
ちょっと話を戻そうか。

今回紹介したCMについて、ちょっとだけ気になることがあります。
企業広告として、こういった問題提起をすることはたいせつだし、
よく考えられた、いいCMに上がってるとは思います。
思うんだけど、こういうことって、企業は具体的にどう対処したらいいのかな?
そこがイマイチ、不明確だったなあ、と思うんです。
そんなこと言うのはひとえに、ぼくが前述のように思いっきり、
論をあらぬ方向に進めてしまったから、なんだけど。
かなりの穿ちすぎ、なんだけどね。
たぶん、問題提起に止めておこう、という判断が働いたと思うけれど、
「締め」、もうすこしやりようがあったのかな。

そこが、ちょっと惜しい気がします。
とくに「ココア」はね・・・。

(執筆者:CM Fun編集長 岡田直也)

執筆者:

岡田直也

CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は 勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。 そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。 それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。 些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。 そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。 ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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