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Possible!!
~「ウケてバズる」の裏側~

あゆみ

今月の初め、
「滋賀県の様子がおかしい。~思わず5回は見直すCM~」
というコラムで、特に何の考察もないまま
「これウケるんですけどwwww」と紹介した石田三成CM。

「武将と言えばみつなり~ イチ・ゴー・ロク・ゼロ滋賀県生まれ~♪」 
みなさんはまだあの歌が頭に回っているだろうか。
私は回ってます。
道を歩いている時、本当に無意識に口ずさむので危険です。

そんな三成サイドが(どんなサイドだ)再度、
とんでもないCMを投下し、再びネットをわかせている。

第二弾…といいつつタイトルは何と「総集編」。
え?こないだのが初めてだったのに何でもうまとめに入ったの?? 
まあ、とにかくご覧あれ。

石田三成CM<第二弾・総集編> (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
「石田三成の人柄や功績をさまざまな角度から伝える総集編。
いわば石田三成のグレイテストヒッツです。」
( 「石田三成×滋賀県ポータルサイト」の文言より抜粋)

なーるほど、CM総集編じゃなくて
三成さんの功績グレイテストヒッツね!

…って納得するか!

何これ!なんで6本も一気に詰め込んでるの。


・ヘアケア製品CMふう 
・ACの教育系CMふう(?) 
・債務はおまかせ!弁護士事務所CMふう 
・地方の観光地CMふう 
(・謎のかぶと虫ジングル) 
・会計ソフトCMふう 
・ミッションポシブルダンシングCM 
(・謎の天気予報) 

それぞれがどこかのCMテイストをパロって、
さらに昭和感と地方色を塗りたくった逸品。
かなりおトクなセットになっております。

アホだ!今回もアホすぎ!と叫びながら
その実、またしても隅々までの芸の細かさに感嘆せざるを得ない。
(各CMの注意書きを読むのがもはや楽しみ)

限りなくアホっぽくダサいテイストで押しながら
それらが全部ものすごーく計算されているので、
私はちょっとこわくなった。


お笑い芸人が人前に立つ時、
本人たちが本当にアホでは観客は笑ってくれない。
ネタを練りに練り、改善と計算と練習を重ねて
心底真剣にやってるからこそ、
観客が「アホだー!」とお腹を抱える。

(何度もアホアホすみまぜん…)

つまり本人たちは、決して笑ってはいないのだ。
冷静な制作者、観察者、表現者の眼で、そこに立っている。

だからこれらのCMも、制作者は
「マジこれウケるよ」「これもやっちゃいましょ♪」って言いながら
ふざけてつくっているわけでは決してない。
むしろ、アイデア会議で眉間にシワを作り、
徹夜してウンウン苦しみながら、つくったに違いない。

私はそこが恐ろしくて、そして、格好いいな、と思う。


「笑ってもらう」「バズる」というのは
本当に本当に、たいへんなことなのだ。
「笑い取りましょうよ」「バズらせましょうよ」とか、
軽く言ってできることじゃないのだ。

血を吐くほど、「もう無理!何もネタない!」と
脱走したくなるほど、楽しませ方を考え抜いて初めて、
できる(かもしれない)ことなのだ。


…まあ、観る側はそんなこと斟酌しなくていいんですけどね(笑)


でもおかげでほら。
笑いながらも私たちはすっかり東軍メガネを外してしまい、
「石田三成は頭がよくていい武将だったんだなあ」という
イメージをすっかり植えつけられてしまったではないか。

今度は「ISHIDA~ ISHIDA ISHIDA 三成ならできます~♪」
という歌を脳内にぶんぶん回してね。


インポッシブルをポッシブルに変えるには、
どんな時代でも、どんなジャンルでも、人知れぬ努力。 
そして、見せる時だけ軽々と。 
イーサン・ハント君も、石田三成君も、
そして面白いものの作り手も。



(※ちなみにサイトの中ほどにある
「秒速で1億円稼ぐ武将 石田三成」というコラム、
私の大好きな田中ひろのぶさんという方が執筆しているのですが
こちらも「アホだ」の皮をかぶった血と汗の涙の超・力作。必読です)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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