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ああ、ケッコンカーン!

岡田直也

4月7日の記事で、saburoくんが、「結婚」ネタのCMを紹介していましたね。
それについて、急に書きたくなったもので。

結論から言うと、あれはちっともリアルな世界じゃない。
まあ、男であるぼくがあれこれ言うのもなんだな、とは思うけど。

ああいうリアクションや、会話なんかがが実際にあるとすれば、
それはかなりの昔、なのではないかと思います。
いまはもっと、意識がすすんでるというか、冷めているというか。
少なくともぼくには、虚構にしか見えないのです。
好意的に解釈すれば、送り手が虚構をつくって楽しんでる。
そんなところではないか、と思います。

ぼくだったら、40代未婚の女子会とかを設定するな。
「あ、ヌケガケなしだよ!」とかね。
そっちのほうがよっぽど、今っぽいんじゃないかと思う。

それに、モンダイだな、と感じるのは、
「女にとっていちばんの幸せは、結婚すること」というテーゼが、
全編にわたって流れていること。
これ、完全な押し付け。こういうのは、よくないと思いますね。
いまのひとの実感に合ってはいない。
中学校の校長の「子どもを2人生む」発言に共通した、
なんか、いやーな感じをおぼえてしまうのです。

たしかに、こういう広告主が結婚を礼賛するのはわかるけど、
無批判な礼賛は、かえってコミュニケーションを阻害する。
そんな気がしてなりません。

さらに、4本めに、「まだ相手はいないけど」とありますよね。
もし、ああいう突然の別れ話が襲ってきたら、
そんな自虐めいたセリフは吐かないと思う。
「親が決めた相手がいる」くらい、強がると思うのです。
あのひと言が、リアルさを削いでしまっている。

もっとも、送り手側としては、
「相手がいないなら、ウチへ」という落とし込みにしたいのでしょう。
それでリクツは、たしかに通る。でも、予定調和にすぎるのでは?。
あんまりいい構成ではないな、と思うのです。


ところでこの「結婚観」、女性の側からのリアルを描いたCMって、
探してるんだけど、ほんとうに、ないんですよね。
そんななか、いちばんいい感じだな、と思うのが、やっぱりこれ。

【三井のリハウス】「母と家を買う」篇|みんなの声鉛筆ムービー (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
まえにも紹介されたことがあるけど、いいと思うのでもう一度。
タイトルどおり、一般のひとのナマ声に基づいているので、
リアルさにおいては、かなりの信憑性があります。

このシリーズ、結婚ネタ以外に、こんなものも。

【三井のリハウス】「住まいと友達」篇|みんなの声鉛筆ムービー (詳細)

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面白い!
好き!
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【三井のリハウス】「同居?or近居?」篇|みんなの声鉛筆ムービー (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
この「みんなの声鉛筆」、ぼくのイチオシです。大好きです。

 
 
ということで、saburoくん、あのCMにだまされてはいけません。
いまの女性の結婚観って、じつに多種多様、なのですよ。
そこで、いい参考文献を紹介しておきます。

北条かや「本当は結婚したくないのだ症候群」
青春出版社 2016 

女性の結婚観を推しはかるにはうってつけ、かも知れません。
まあ、男にとって女性とは、一生モンの教材、なのだから。
これからが、長いよ・・・。

執筆者:

岡田直也

CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は 勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。 そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。 それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。 些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。 そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。 ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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