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「彼」はほんとに、これでいいのか。

あゆみ

私は人妻ですが、密かに、
そしてずっと気になっている「彼」がいます。


「彼」はおそらくまだ若い。

「ゆとりですがなにか」というドラマで、
ゆとり第一世代(1987年生まれ界隈)の若者の苦悩が
今まさに描かれていますが、「彼」はもっと下、
20代前半~半ばといったところでしょう。

まだ学生であるの可能性も、かなり高いです。


最初に彼を知ったのは、若く美しい女性が
車内で流れる夜景を見ながらつぶやいていたからです。

「あの人はカラオケが嫌い。
 夜風に吹かれながら、自転車に乗りながら、
 好きな歌を歌うのが好き。
 …タダだから。」

その女性は、AKB48の高橋みなみさん。 
土手をチャリで疾走する「彼」のカットが一瞬挿入されますが、
つぶやいてるみなみさんは車の後部座席左側に乗っています。 
そう、タクシーなのか送迎の車なのか、
とにかく「運転手さんがいる車」に乗っているのです。
そんな彼女と彼の落差が、妙に気になりました。


次のCMでは、みなみさんは「彼」と向かい合っています。

「『夢は社長』、ずっと言ってるもんね。
 夢を持てるって素敵だと思う。
 …でも何の社長になるか、決めてないんだよね?」

「彼」は左後頭部の髪がチラリと映ってる程度。
だけどその髪がみょーーにボサボサのパサパサで、
その様子と「夢は社長」の落差がこれまた激しくて気になりました。


このカードローンの「レイク」のCM、
その前までは確か、バリバリ働く若いサラリーマンが
「いつでもどこでも利用できてほんとよかった!」って
駆け込む感じの内容だったと思います。

それが、AKB起用になってからいきなり、
そこに登場してくる主ターゲットであろう若い男性が
どんどん情けないキャラになってる理由が謎で、
どーーにも気になってしょうがないのですよ人妻である私は。
(人妻カンケーないすね)


最近のものはこちら。

新生銀行カードローン レイク CM

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HA
面白い!
好き!
感動!
まあ「ヤバい」常用は若者に始まったことじゃないので、
こちらはまだいいとしても、彼女に嘆かれるのは
それ以外のボキャブラリーもかなりヤバいんでしょう。

新生銀行カードローン レイク CM

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HA
面白い!
好き!
感動!
プロポーズや親への挨拶までメールで済ませるヤツなんて
まさかいねーだろ!とか思いつつも、告白も別れも
ついでに「会社辞めます」もメールやLINEで済ませるご時世、
もしかしたら本当に存在するかもしれないし。

新生銀行カードローン レイク CM

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HA
面白い!
好き!
感動!
これに至っては彼女のおっしゃる通り…としか言いようがない(笑)


いや、私は別にこの「彼ら」がけしからんとか
だらしないとか言いたくてこれ書いてるんじゃありません。

いやもちろん目の前にいたら
こんな男イヤだけどさ…(っていうかみんな嫌でしょ?)。


そこなんですよ。
「ひと、それぞれですから。」というコピーでこれらをまとめ、
「ボクにはボクの、使い方ぁ!」という元気な声が入ってますが、

この一連のシリーズ、どうやらレイクのターゲットを
「お金も絶望的にないしスペックもあまり高くなさそうだけど
望みと希望だけは薄ぼんやりデカい若い男子」と想定していて、
かつ、それをやんわりと(AKBの皆さんを使って)クサしてますよね?

なぜ、そういう「こんなヤツは嫌だ」的なつくりにしたのかな?
それが、この若い男子に響くのかな? 
それが、純粋に謎なんです。


これまでの(特に銀行参入してからの)カードローンのCMって、
「アツい目的があるけど、忙しかったりまとまった大金が
なかったりしてそれが達成できないから利用しようね」という
タテマエでつくられていた気がするんです。


だけど最近のレイク、そこすっぱり捨てちゃってる。

もうそういうタテマエいいからさ、
そうじゃないリアルな君らって、こうでしょ。

って、大人が描いて人気の女子たちに言わせちゃった気がして、
それがシャクに触ったりしないのかな若い男子は…って
ちょっとドキドキするんですよ(笑)

それとも、そんなことは気にせずに
「こんなもんスよ」
「ま、ボクにはボクの暮らし方」なのか…?


あまり世代論でくくって「今どきはこうなんだろう」とか
結論づけたくないから、20代前半~半ばの男子の感想、
こんど聞いてみたいと思います。

そしてレイクに登場するいろいろな「彼」、
これからも密かに注目していきたいと思います。


でも正直、バカでも無茶でもいいから
もうちょっとシャキッと描いたげて欲しいよ、
CMの中だとしてもさ(笑)

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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