ウェブマガジン CM Funコラム

北海道から、宇宙一へ。

東井 崇

札幌の東井です。

北海道のプロ野球球団と言えば「日ハム」、
そう北海道日本ハムファイターズです。

かつては、ジャイアンツ人気がすごかったのですが、
今やすっかりファイターズファンが増えました。
ファイターズが東京から札幌へ本拠地を移転したのは2004年。
当時私は札幌におらず、2007年に再び札幌の地を踏んだ時には、
すっかりファイターズ一色になっていました。
自分たちの街のチームとなると、
途端に応援する気持ちが強まるものなんですね。
甲子園でもつい地元のチームが
どこまで勝ち進んでいるか見てしまいますし。

したがって、北海道では、
ファイターズの選手やOBが
CMなどの広告に起用される機会は多いです。

球団が今シーズン始めにこんなCMを作っていました。

宇宙一をめざせ!ファイターズ北海道開幕!TVCM (詳細)

HA
面白い!
好き!
感動!
「宇宙一を目指せ。」と掲げております。
「極端に言ってみる」というのは広告表現の常套句。
中途半端に日本一をめざします、と言っても
当たり前すぎて面白くないわけで、
ここまで振り切るから、
表現としてひっかかりが生まれるわけですね。

ただ、この「宇宙一」というワード。
北海道民に「宇宙一と聞いて連想するのは?」
と尋ねると
きっと97%くらいの確率で、
「大浴場」という答えが返ってくるはずです。

というのも、サンパレスという温泉旅館が
昔から「宇宙一大浴場」という打ち出しで
大浴場のCMをやっておりました。
確か私が大学生の時にもOAされていた気がします。
「宇宙一」というフレーズは、
独特の歌とともに、北海道民の記憶に強く刻まれているのです。
オフィシャルに公開されているCMがなかったので、
ご紹介できないのが残念ですが、
興味ある方は
「サンパレス 宇宙一」
でググってみてください。

で、「日本一!」とか「売上No.1!」といったナンバーワン表現って、
その正当性を示すために客観的な証拠
(第三者機関による証明など)がないと、
言えないわけですよね。
サンパレスはどうやって考査を通したのでしょうか。
日本とか世界とかの尺度ではなく、
宇宙という尺度を持ち出すことによって、
なんとなくOKになったということでしょうか。
マジメに考えると、
まず世界一を証明できないと宇宙一も証明できない気がするから、
どうなんだろうという疑問が浮かんできますが・・・。

まあ、あれはシャレだよね、
と視聴者も分かっているから、OKだったんでしょうね。
目くじらたてて「宇宙一の根拠を示せ!」みたいな
ことは当時言われなかったでしょうし。

ちなみに、最近その「宇宙一大浴場」を
打ち出すサンパレスのCMを見てない気がするのですが、
昨今流行りの表現に対する自制…?
ファイターズは「俺たちが宇宙一だ!」と言い切るのではなく、
「宇宙一を“目指せ”」って言ってるから特に問題ないんでしょうね。
ということは、同じロジックで
「宇宙一を目指す大浴場」
とかなら、OKが出る気もします。
なんだか、別のCM企画が生まれそうな気もするし、
もはや意味不明ですね…。

私も宇宙一のコピーライターを目指そうと思います。
(というと、宇宙と交信ができるコピーライターみたいな、
ヤバい雰囲気が醸し出されますね)

執筆者:

東井 崇

1977年富山県生まれ。岐阜県出身。札幌在住。 リクルートメディアコミュニケーションズ、電通北海道を経て、 2012年に独立。現在はフリーでコピーライターをやっています。 なんだかんだで広告が好きなようです。 とはいえ、地方なので、広告に限らず仕事の守備範囲は広め。 人生で初めて飼った猫を溺愛する日々です。 www.takashitoi.com

他のコラムを見る

前後のコラム

人気のコラム

最新のコラム

コラム一覧を見る