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どこへ行く?「行くぜ、東北。」

岡田直也

7月19日のコラム「宮城・雄勝レポート 下」の冒頭付近に、
「女川駅とその周辺の、キレイなこと! 駅舎はピカピカの新築。」
と書きました。雄勝への道中の、素直なオドロキ、だったのですが、
なんとその女川が、CMの舞台になってるじゃないですか!

JR東日本 行くぜ、東北。「女川の今」篇(30秒) CM (詳細)

  • 広告主
    • JR東日本
  • サービス
    • 行くぜ、東北。
  • ビュアー
    • 18,444
HA
面白い!
好き!
感動!
冒頭の電車が、石巻線。その終点が、女川です。
そしてゆるい勾配の三角屋根が、女川の駅。
中心地区はキレイに整地され、重機がいそがしく動き回ってる。
ぼくの見たままの情景が、CM上でも展開されています。
かなりタイムリーだったんで、ちょっとビックリしました。

しかし、このCMの受け取りかたについては、けっこうフクザツなものが。
なぜかって? それは、「女川町」だからです。
つまり、原発が立地する自治体だ、ということ。
周辺よりも豊かであるのは、明白ですよね。

なにも知らずにこのCMに接するならば、
東北の沿岸の、ごくごく一般的な風景、に見える。
そして「ああ、どこも着実に復興に向かっているんだなあ」と、
多くのひとは、思うことでしょう。
それは決して間違いではないし、CMの役割もそこまでのもの。
でも、「待てよ、ここは女川だぞ」という目で見てしまうと、
「特殊な例なんじゃないのか?」という疑念が、アタマをもたげます。

JR東日本が、女川をチョイスした真意は、わからないけれど、
ロケ場所としては、どうだったのかなあ・・・。
もっとも「つぶ焼きます」をフィーチャーしたかったのかも、だけれど。


でもこのキャンペーン、やっぱり立ち上げのグラフィックが、一番よかったな。
あの緊張感といい、ボディコピーの上手さといい、
ぼくは傑作だったなあ、と思っています。
ところがCMになると、フツーのディストネーション広告にしか見えない。
タレントを起用するのも、なんか違うな、と感じてしまいます。

あのグラフィックの、使命感を帯びたような鋭さ・キレ、
映像では表現できないのかなあ・・・。

執筆者:

岡田直也

CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は 勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。 そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。 それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。 些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。 そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。 ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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