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男は本当に「君を守る」のか。

あゆみ

「君を、守りたい」 
「俺が家族を守る」

女性なら一度は言われてみたいこの言葉。
そして世の男性には、特に自分の恋人や配偶者には
この心意気でいて欲しい!…と、思う言葉。

ヘーベルハウス「災害に強い家を」『プロポーズ篇』15秒CM (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
少し前に盛んに流れていたこのCM。
すごいひねりがあるわけではないのですが、
観ていてじんわり楽しくて、とても好きでした。
ネットでも「面白いね」と好評の様子。

このCMの面白さは、
「『君を一生守る』という、本来プロポーズにおいて
正しい決意表明を『僕じゃない』と丸投げする」ズレ、意外性です。

それが笑いになるというのはやはり
「本来ならば男性自身が女性を守る立場でいるべき」
という思い(願い?)が、観ている人の中にあるからですよね。

でも、もうそれは違うんじゃないかな…と私は思います。

この「ヘーベルハウスに丸投げ」男性の方が、
いまの世の中ずっと真っ当なんじゃないの…?と。


だって、男は具体的に何を守れるんだろう?

「妻子を養う」という意味だとしたら、
昔のように終身雇用でも年功序列でもなく、
共働きが普通の状況では亭主の大黒柱感、安心感は薄い。

かつての男らしさ女らしさの基準も価値も大きく変わって、
私たちが「女たるもの…」と古くさい世間に定義づけられたくないように、
男性たちも「男たるもの」という荷物を背負わされたくないと思うんです。
だって、すでにその幻想も、その力も、彼らにはないように見えるから。

(男が弱くなった、という意味ではありません。そこを背負って立つ必要も、
自動的に手にできる権力も、いまの社会には無いというだけです)

結婚すると痛いほど分かりますが、男性は夫となっても
意外と先を考えてなくて、のんびりのん気で、でもナイーブで折れやすく、
「いざ」という時は(妻子が怪我や病気などの緊急時)慌てふためいたりする。

女性の「妻になり母になった時の肝の据わり方」に比べ、
ゆっくりゆっくり「夫になり父になってゆく」感が強い。
だから気づくんですよ。「ダンナ、意外と私を守れねえ…!」と。

我が家なんか電器の取り替えも家の故障の修理もゴキブリの退治も、
ぜんふ妻である私の役目です(笑)最近では腕力も私の方が上になってきた。

だから私はついに言うようになりました。
「あんたのことは私が守る」と(笑)

夫には夫の得意分野がある。私がどうにもうまくできないことがある。
そこを存分に活かしてくれればいい。
お互い、できること得意なことでカバーしあうチームでいればいいんだ。


そう考えると、夫となる自分ではなく、先の鬼怒川堤防が決壊した際にも
しっかり残っていたヘーベルハウスで「君を守る」と言うこのCMの男性は、
未来の戦略と現実をしっかり見据えた、素晴らしいひとなのではないか?

だいたい「俺がお前ぜってぇ守る!」とかラップのリリックみたいなこと
すぐ言う人がいたとしたら、逆にうさんくさくないですか(笑)
そういう人、いずれ「お前は俺に尽くせ」みたいに言いそうだもん。

さらに、さまざまな災害に見舞われた日本に生きる私たちにとっては、
心意気だけではひとを守ることは難しいという思いもあったりします。


だからこそ
「僕は到底君を守れない。むり。けど、ヘーベルハウスが守るよ」
こっちがいいですよね。

ヘーベルハウス「災害に強い家を」『挨拶篇』15秒CM (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
こちらの「彼女のお父上にご挨拶してダメ出しを食らう」篇も
もっともだと思います。お父さん怒ってますけど、実際問題、
目の前の若造に「僕が全身全霊かけて守ります!」とか言われるよりも
「ヘーベルハウスで守ります」ていう提案の方が断然、安心だもん。
だから「あ、それならOK〜」って感じで、最後には談笑してるのかも(笑)


「何があっても君を守る」 
「俺が一生家族を守る」

この言葉は、もはや未来から来た人型のアンドロイドT-800とか、
娘を救うためにアルバニアマフィアに単身向かってゆく元CIA工作員・
現ボディガードの男くらいしか、信憑性がないのかもしれません。

でも、それでいいんだと思うよ。



※おまけ 
この両方のCMに「僕」として出演している男性は
本庄司さんという俳優さんですが、表情も演技も何ともいい雰囲気。
「これからどんどん注目され、出演作が増えてゆくのでは
ないだろうか」と個人的に思っております。みんな覚えておこう!

執筆者:

あゆみ

博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後 (株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。 「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上 書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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