ウェブマガジン CM Funコラム

「OCC賞2017」。
編集長のイチオシは・・・。

岡田直也

Room708でも書いたけれど、先日、OCC(大阪コピーライターズ・クラブ)の授賞式&
年鑑発刊パーティがありました。その受賞作品のなかから、ぼくがいちばん気に入ったものをぜひともご紹介したい、と思います。

シヤチハタ Xstamper50周年スペシャルムービー 50歳の”不合格” (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
よくできていますよね。
じつは、細部へのこだわりが行き届いているなあと、
ぼくは見てとったんです。
それが、この作品を引き立たせているのではないか、と。


作者の電通中部支社・阿南文さんは、「<伊藤>が紛れることのないように、
周囲にあまり画数の多い名前を置かないようにしました」と言っています。
そうなんだよね。そういうディテールへの気遣いが、命なんです。


「伊藤と河合」も、かなり練りこんで考えた末の結論だとか。
そういえば、「河合」は中部地方に多い苗字。
カワイピアノの、河合ですね。
ぼくも名古屋の河合さんを、何人も知っています。
なので、伊藤さんの奥さんは、地元に根を張ったしっかり者、
というキャラになる。このへんも、きちんと設計されているわけです。


さらに、年鑑には載っていない、新作を。

シヤチハタ Xstamper StampMovie 15年ぶりの”御見舞” (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
ここでも注目したいのは、「髙橋」をチョイスしたこと。


タカハシってなんか、破裂音が多くて、耳ざわりがカサカサする。
それに字形も、ちょい威張ってる(ホントの高橋さん、ごめんなさい)。
まさに「自分しか信じない」キャラにはうってつけ、と思いました。
おまけに、「高」ではなく「髙」の字を使っているのも、特筆モノ。
先ほどの阿南さんも、
「ハシゴダカのほうです・・・と名前を説明するたびにイラついている人、
そんなイメージで作りました」とのことです。




さてさて、この2本には、共通するだいじなモチーフがあります。
それは、「承認」と「御見舞」。


じつは、この2つのハンコこそが、
両篇を支えるコンセプト、キーワードになっている。
話は、この「承認」「御見舞」を元に組み立てられている、
ということなんですね。


企画の根っこが、じつにしっかりしている。
その根っこに、細部へのこだわりをしたたかに絡め、
そして全体を、ちょっとホロリとするストーリーにまとめる、筆力。


・・・ちょっとホメすぎじゃないかって?まあ、そうかもね。
でもぼくは、これがグランプリでもよかったんじゃないかって、
本気で思ってるからね。しょうがないよね。


(ただ、「御見舞」編の前半、髙橋さんと部下とのやりとりが、
キャラを立たせようとするあまり、すこしキツすぎるかなあ、
逆にリアルじゃないのかな、とは思いました)
執筆者:岡田直也
CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は
勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。
そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。
それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。
些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。
そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。
ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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