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災害のあとに生きること

桐谷直毅

2016年は3.11の記憶もまだ覚めぬうちに熊本地震や糸魚川の火災など痛ましい災害がありました。災害をきっかけ変わらざるを得ないものもありますし、変わろうかなと思っていながら動かずにいたものを変える意思決定に背中を押されることもあると思います。

CM Fun宛にセキスイハイム九州様から郵便が届きました。三世代住宅の、「つなぐハイム」というCMをリリースしたとのことで、報道資料とCMを焼いたCDを同封頂いていました。年の瀬に郵送頂いたもので、「熊本」という単語が私に引っかかったので公開は1月となりますが、12月31日現在筆を取ってみます。

まずは郵送頂いたCMをご覧下さい。

セキスイハイム九州 つなぐハイム つなぐハイム30秒CM (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
商品である三世代住宅の説明がないCMです。メッセージとしても「何気ない毎日に、幸せはある」、と「家族が帰る場所で、想いをつないでいく」の2つのシンプルな構成です。

家族と暮らしていきたい、という事以上に人生の根本にある思いはないのかも知れません。特に災害を経験した人々にとってはそれがさらに浮き彫りになるものと思います。とりあえず家族の居場所があって、小難しいことはその後にようやく考えられる。だからこういうCMになるのかも知れませんね。

CMがあまり触れていない三世代住宅というのはセキスイハイムのHPもご覧下さい。弊社にはパンフレットも送られてきていて、嫁と一緒に工夫や間取り例を見て楽しみました。私が魅力に感じた点を含めてポイントは3つほどでしょうか:
①共働き世代など子育てで祖父母にも手伝ってもらう人
②住宅コストや維持費が3世代で住む方が経済的であること
③日常生活を楽にする多くの工夫がこらされていること

都心ではあまりみませんが、震災の後に特に需要が高いというこの三世代住宅という生き方にはとても納得できます。一世代では中々出せない金額も祖父母世代と一緒に資金を用意することでパントリーや家族団らんスペースなど、少し経済的余裕を必要とするようなものを検討しやすくなる側面があるはずです。家族と一緒に居たいという気持ちと、現実的に検討できる仕様を満たす工夫が三世代住宅なんでしょう。

さて、私は直接被災していませんが、災害後を生きるということで思い出すCMはこれです:

ヤフー Search for 3.11「ビッグデータ篇」 - Yahoo!検索 "Big Data" - Help Tohoku. Search "3.11" project by Yahoo! JAPAN 120秒 CM (詳細)

  • 広告主
    • Yahoo! Japan
  • サービス
    • Search for 3.11
  • ビュアー
    • 658,991
HA
面白い!
好き!
感動!
CM Funで以前も紹介したことがありますが、Yahoo!のSearch for 3.11というCMです。
私たちが出来る大きなことの1つに、震災について「知ろうとすること」が挙げられます。関心がなくなると、災害後を生きていることにならないと思うんです。災害のことばかりを考えて生きていけはしませんが、たまに思い出して考えたり少し動いたりすることが災害後を生きるということなのかなとこのCMを見るたびに思わされます。

災害後を生きることには2つ思うことがあります。
1つは、災害発生直後にどう動けるか。そして、もう1つはその後の世界をどう生きるか。

3.11の日、私は六本木ヒルズの46階で働いていました。

とても揺れて窓が鳴ってエレベーターが止まり、余震が続きました。
遠くに石油プラントが燃えているのが見えますし、津波が押し寄せているニュースも映像で流れてきます。
海外ニュースが流れるモニターがあって、そこでは日本は世界の終わりのような風景になっていると報じられていました。
私の人生で一番はっきり生死を考えた数時間でした。

色々と問題もありましたが、結局は日本というのが非常に危機対応能力の高い国で、すぐに日常に戻れました。
しかし、震災がないと生死を考えたり、自分が結局どうしたら幸せなのかを考えたりしないのはやっぱりおかしい。
そして、時間が経つとその気もちを忘れてしまうのもおかしい、ということを災害から学んだ気がします。

そういう気もちで日常生活を過ごすようになったとき、ふと見たCMなどのメッセージがグサグサ刺さってくるようになりました。昔からCMは好きだったのですが、心の状態一つで刺さったり刺さらなかったりするのは驚きます。プロフェッショナルを目指して必死で働いた結果、自分の感度が下がっていたことに猛省しました。

もっと皆が発している言葉が伝えている状況をちゃんと想像して受信しなければ。受信したものは発信・拡散・営業してあげなければ。それがそもそも私が大好きな理系を選択せずに文系に来た理由でもありました。その気もちは社会人になっても変わらないことが再確認できて、一念発起してCM Funを立ち上げてみました。CMほど何かを伝えられる存在はないですから、面白いですね。

新年を迎えるにあたって、災害後を生きるということで久しぶりにコラムを書いてみました、拙筆をご容赦下さいませ。皆様本年も宜しくお願い致します。

桐谷直毅
執筆者:桐谷直毅
CM Funの社長です。
CMは面白いと思うんです。皆さんにも楽しんで頂きたい!
素晴らしい情報源。いつまでも記憶に残る懐かしい存在。
数か月で使い捨てられるもったいないもの。
知らないでは済まされない生活情報・常識・教養。
流行を作り出すクリエイティブな動画。
CMの20面相を皆様の好きな角度からお楽しみ下さいませ。

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