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「昭和のアレ」は今に通じるのか。

近藤あゆみ

「若者は公衆電話の使い方を知らないらしい…」
「COMPLEXの動画見て『吉川晃司って歌も歌えるんですね』って」
「よろしく哀愁、って言っても一切通じなかったよ」

平成生まれがどんどん社会人になっている今日この頃、
こういう会話が至るところで聞こえてくる。 
ジェネレーションギャップで打ちのめされるアラフォー以上の皆さんは
ショックを表明しつつも、どこかに「若い奴はこんなことも知らないなんて…」
みたいな上から目線の表情を浮かべてたりする。

しかし当たり前だ。こんなに世の中がすごい勢いで変わってるんだ。
私たちだって子供の頃はまさか電話が持ち運べて
手のひらですべてが済んでしまうなんて夢にも思わなかった。
あらゆるものが古びるスピードは加速している。 
昭和は遠くなりにけり。 
ああ、こんな年寄りみたいな言葉を自分が吐く日がくるなんて。


そんな中、このCMが流れてきて
「これは…果たして伝わるのか?」と心配になってしまった。

ゾゾタウン ZOZO探検隊シリーズ オープニング篇「ツケ払いが許されるファッション通販サイト」 ZOZOTOWN CM 15秒

HA
面白い!
好き!
感動!
続篇もいくつかあって、探検隊がどんどん奥地へと進んでいる。

ZOZO探検隊シリーズ「噛まれたらすぐ死ぬぞ!」

HA
面白い!
好き!
感動!
昭和の一部の世代のみなさんならこれの元ネタはすぐに分かるだろう。
藤岡弘を隊長とする探検隊シリーズ。
「その謎を明らかにすべく我々はアマゾンの奥地へ向かった」
というナレーションがすぐ脳内で再生される。
ZOZOのこのCMは、その番組を忠実にパロッている。

しかしZOZOのメインターゲットであろう若者は、
おそらくこの元ネタを知らないだろう。
それでもこのCMの面白さは伝わるのだろうか?
それともそんな記憶の共有は関係なく、
「なんかアホで面白いCMやってんなー」でいいのだろうか。

そもそも「ツケ払い」という言葉は、通じるのだろうか? 
決して若者をばかにしてるわけじゃない。
その言葉自体、日常で使うことが全然ないからだ。
(40代の私だってない。だからこそ却ってキャッチーに聞こえるんだけど)

サントリー公式がアップしていないからここに載せられなくて
すごく残念なんだけど、缶コーヒーBOSSのCMで、
宇宙人ジョーンズが新米刑事として歴戦のデカたちと共に
犯人探しに走るバージョンがあった。

これは出演陣の顔ぶれを見ると…いや例え観なかったとしても、
曲と流れだけで完璧に「太陽にほえろ!」のパロディだと分かる。 
手分けして散らばり、街の人々に犯人の写真を見せて
聞き込みしてまわるデカたち。オチもいかにも七曲署らしい。 
(YouTubeには上がっているので観てみて下さい)

これを観た時も「若い人に元ネタは分からないだろうな。
だとしたらこれは何に見えるのかな?」と考えてしまったが、
こちらの場合はターゲット層がリアルタイム世代だろうから安心(?)かも。


BOSSの刑事篇は公式に上がっていないけど、
かわりにそのものズバリ「昭和篇」というCMが上がっている。

ボス『昭和』篇 60秒 トミー・リー・ジョーンズ サントリー CM

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HA
面白い!
好き!
感動!
こちらも、昭和世代には懐かしく、
平成の民にはひとつも分からない。

ただ、昭和の豪傑たちのラストのメッセージは
現代にこそ心に響きそうな、いいことばだと思う。

これがもはや遠くなって伝わりづらくなった
「昭和」という時代からの、精一杯のエールなのかもしれないな。
執筆者:近藤あゆみ
博報堂コピーライターからなぜかダンサーに転身。その後
(株)ネットプライス創業時からライター&クリエイティブディ
レクターとしてEコマ―スに携わる。日本初の共同購入「ギャ
ザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。
「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを15年以上
書き続け、一部にコアなファンを持つ。現在はフリーでライ
ティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。

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