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手書きも手描きも、美しく。
(資生堂HPのおはなし)

岡田直也

ネタさがしのために、いろんな広告のHPを渡り歩いていたら、
こんな動画を見つけました。
例の「女装高校生」が話題になったりした資生堂ですが、
さすがにHPは質・量とも、じつに充実しています。

資生堂書体「美と、あそびま書。」|資生堂 (詳細)

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そう、「手書き」。
データ化なんて簡単・・・多くのひとは、そう思うでしょう。
もちろん、効率を考えるとそのとおりだし、
現実には、大量のデータストックもあるはずですよね。

ところが、デザイナーの修行には、手書きが欠かせない。
いまでも、データとは別の次元で、
しっかり伝統の継承がおこなわれている、と聞きます。

じつはこの「手書き」(手描き)、とてもたいせつなことだと、
ぼくは昔っから、思ってました。
デザインに限らず、コピーも、企画も、
自分の手を動かし、間違えれば消し、消しては書いて、
そうしながら、アナログ的に、思考をすすめていく。
このプロセス全部こそが、クエイエイティブというもの。
ぼくは、そう信じて疑わないのです。

何年か前、このことについて、茂木健一郎さんに、
尋ねてみたことがあります。
「手の動きと脳は、直結しているんでしょう?」と。
そしたら「そうかも知れませんね」という返事でした。
まあ、学者らしく、断定は避けていたようだけれど。

ところがいまや、手書き(手描き)の真逆が主流になっていますね。
でもぼくは、それが大キライ、なんです。
デザイナーが、資料写真とコピペだけで案をもってくるのは、
ぼくの打合せでは、禁止。
「手描きでラフつくれ!」と口酸っぱく言ってます。

まあ、ぼくみたいな人は、減っているんだろうなあ。
でもねえ、手描きの手間を惜しんで、ベンリに走っちゃうことで、
たいせつなことが犠牲になってる、と思うんだけどなあ・・・。


さて、かの資生堂には、こういうタイプの動画もあります。

LIFE COLOR CLOCK | 資生堂 (詳細)

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いかにも「美」を標榜する企業だけあって、
映像のクオリティは、かなり高いと思いますね。

資生堂って、ぼくも一時期担当したことがあるけれど、
第一印象は、とにかく「耽美主義」だなあ、ということでした。
ちょっとネガっぽい言い方にはなるけれど、
「美しければ、それでいい。美しさがそのままアイデア」
というところがあるんですね。
まあ、よくも悪しくも、資生堂らしさは、そこなんです。
ほんとうはもっと、そこを尖らせていきたいんじゃないかな。


そんな資生堂ではあるけれど、
ある意味、資生堂らしくない「フツーの」CMも、ありました。
さいごに、紹介しておきたいと思います。

企業広告 「化粧のちから」篇|資生堂 (詳細)

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フツーというか、リーディング・カンパニーの余裕、かな。
こういうのがあるところに、かえって企業の奥深さを感じます。

尖るところはとんがって、
押さえるべきところは広く、あまねく。
このアンビバレンツ、まあ戦略、なんでしょうね。
執筆者:岡田直也
CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は
勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。
そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。
それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。
些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。
そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。
ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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