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【特集】
広告史上にキラキラと輝く、
’80年代の「ウイスキー」2

岡田直也

では、「‘80年代ウイスキー」特集のパート2を、はじめよう。

ここでは、サントリーウイスキーのうち、

いわゆるオールド「未満」の商品キャッチフレーズを、

まとめてご紹介することとしましょう。

(ひきつづき出典は、誠文堂新光社刊「コピー年鑑」各年版より)

 

ぼくの大学時代は、「オールド以上」に接する機会など、

ほぼ、ありませんでした。

レッドか角か、金回りのいいときにはホワイトか。

だれかの下宿に集まって飲むときは、そんなもんでしたっけ。

 

ちなみに外呑みでは、当時のホッピー(焼酎をビールで割ったもの)が、

主流でした。あいつは、とにかく早く酔えるんですよ。

いろいろ失敗もしたっけな・・・。

 

 

まあそれはともかく、まず「ホワイト」から、いきましょう。

 

1.僕ら、渇いてる。1981) 

優しさを超えるものがあるとしたら、熱さだ。1981) 

2.飲むときは、ただの人。1983) 

3.あんたも発展途上人。1983) 

4.ネシロ。1985) 

5.ソロで終わる夏は、悲しすぎる。1986) 

6.すいません、熱い水割りください。1987) 

7.いとしのホワイトください。1989) 

 

たとえば「オールド」に比べると、ターゲットが明らかに若い。

それは一見して、すぐにわかりますね。

ちなみに、トーン&マナーがなん回か変わっているのは、

(1/234/567 と、3セットありますね)

数年ごとに担当制作者が入れ替わったせいです。

これ、ぼくらの業界の、いわば宿命みたいなもんですけど。

 

すこし補足します。57は、海外の大物ミュージシャンを起用したもの。

5は、伝説のベーシスト、ロン・カーター。

6は、これも伝説のドラマー、スティーブ・ガッドを中心とした

セッションバンド、ザ・ガッド・ギャング。

7は、「いとしのエリー」をカバーしたことでも知られる、

超大物、レイ・チャールズ。

かなり贅沢な、面々です。

 

(しかし、「熱い水割り」って、ようは「お湯割り」ですよね・・・

なんて、ツッコミたくもなるけれど。)

 

ぼくとしては、菅原文太さん出演の、2と3がオススメだなあ。

ぼくの師匠格の眞木準さん作、ということも手伝って。

強烈なインパクトをもったCMでした。忘れられません。

 

 

つづいて、「角瓶」を

 

8.素顔で飲んでください。1989) 

9.映像&ウイスキー

結末までに5杯半。1990) 

 

レッド」も、いってみよう。

 

10.ロマンチックが、したいなあ。1981) 

11.あったかい夜を、プリーズ。1982) 

 

レッドには、すこし解説が必要ですね。

じつは10、大原麗子さん出演の、あの有名なCM

「すこし愛して。ながーく愛して」の、グラフィックバージョンなんです。

当時は、CM班とグラフィック班を別立てすることが多かった。

CDも、二人立ったりしたんですね。

タレントの撮影時間の取り合いなんかで、ケンカになったりもした。

はっきり言って仲悪かった、ですねえ・・・。

そんな事情の産物、10は、糸井重里さん作でした。

 

 

そして、サントリーのブランド内ブランド、「トリス」。

このコミュニケーションは、とてもはっきりしています。

 

12.トリスが似合う人を、オジサンとは呼ばない。1981) 

13.トリスは不滅です。~うまい!やすい!1981) 

14.トリスのおいしい町は、よい人の住んでる町です。

   ~おいしくて、おつりがくるね。~1984) 

 

ただ一時期、すこし毛色のちがう広告を打っていました。それは、

15.トリスの味は人間味。1982) 

というキャッチフレーズのもと、

雨のなかを子犬が歩きまわる姿を追った、かの有名なCM

ナレーション、ご紹介しましょう。

 

16.いろんな命が生きているんだなあ~

   元気で。とりあえず元気で。みんな元気で。 

 

80年代前半、オールドやローヤルに顕著だったトーン&マナーの、

トリス版、ですね。かなり胸キュンな、CMです。

見てみたい、というひとは、ネット上で探してみてください。

きっと、どこかにあるはずです。

 

 

・・・いままで見てきた「オールド未満」カテゴリーについては、

「角」と「トリス」が、すこしカタチを変えて、

いまでもオンエアされていますね。

おなじみのCM、まず「角」から。

井川遥 サントリーウイスキー角瓶『幸福の黄色いレモン』篇 15秒 角ハイボールCM (詳細)

0|0|0
HA
面白い!
好き!
感動!

つづいて、「トリス」をどうぞ。

サントリーウイスキー トリス<クラシック>『君とトリスといつまでも』篇 15秒 サントリー CM (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!

さて、この特集2のさいごには、

サントリーが発売元になっている「洋酒カテゴリー」のキャッチで、

ぼくの記憶にのこるものを、ご紹介します。

 

それは、当時人気を博していた、斎藤慶子さんと石原真理子さんの

セミヌード・カレンダーをプレゼント、という企画もののポスター。

商品は、「HAIG」でした。

 

17.あなたのお部屋で、ヘイグのけいこ。1984) 

18.石原真理子は、スコッチ、H1986) 

 

いいでしょう? ぼくの中では、一時ブームになりました。

大きなスポンサーで、こんな楽しいキャッチが書けるんだ・・・。

とてもうらやましくてね。

 

 

・・・ということで、

次回は、サントリー以外のウイスキーにも迫ります。

それで、3回シリーズの特集を、完結させることにいたします。


<‘80年代の「ウイスキー」記事一覧> 

執筆者:岡田直也
CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は
勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。
そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。
それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。
些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。
そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。
ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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