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地元愛のベストアンサー?!
気になる気になる、
「練馬あるある」!

岡田直也

東京都練馬区。
ここのPR動画の最新版、なかなか話題になっていますね。

一昨年、このウェブマガジンの新創刊第一発めのコラムに、
「よりどりみどり練馬」~NERIMA GREEN PROJECTを紹介しましたが、
あれから2年ちかく経って、またここに練馬区を紹介できること、
ぼくもうれしく思っています。
ともあれ、新作をまずご覧ください。

Yori Dori Midori 練馬(よりどりみどり練馬)|「I ♥ 練馬あるある」ムービー(フルバージョン) (詳細)

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これ、板橋区からの「独立」70年を記念して、
つくられた、ということです。
(しかし、「独立」。すごいね。かつて島根から独立した鳥取県みたい)

区内在住の作家・のぶみさんの手になるこの絵本、
郷土愛をくすぐるというか、区民の心をひとつにまとめるとともに、
対外イメージUPや転入促進にも、
きっとひと役買っている、のではないでしょうか。

しかしこれ、全編をとおして見えてくるのは、いい頃合いの「自虐」。
いや、自虐ではないかな。「ちょっとトホホ」と言ったほうがいいかな。
そのさじ加減が、とても心地よいのです。

(それもそのはず、ネタは公募で集めたんだとか。
チョイスのセンスはOK。そこがとてもだいじ、だからね。
ただ、ぼくとしては、「ヒーローたちがまちの平和をまもる」だけ、
 どうなんだろうか、とは思ったけど)

まあ、自虐でコミュニケーションを図ろうとすると、
そうとうな勇気と覚悟が必要なんだ、と思います。
しかも、あの島根県の「吉田君」がある。その手はもう、使えない。
もっとも、話題になる自治体のPRでは必ずといっていいほど、
地元のだいじな名産や名所をネタに、
じぶんたちで半ば笑っているようなところがあるのは確か。
うどん県然り。おんせん県も、また然り。
でもこれは、そういうものとはまたすこし、違う。
ちょっとトホホな「ホンネ」を、上手に子どもの語りにのせる、
その作りかたとも相まって、
いままであるようでなかった新路線、といえるんじゃないかな。

それから、いまの時期、東京都の自治体がPRをすると、
どうしても2020年、そしてインバウンド需要に触れたくなるところ。
でもここには、そんなものの影さえない。
そこがまた、潔くて好感が持てる所以、なのだと思いますよ。

動画制作のキーマンである、
練馬区区長室副参事の市橋歩さんは語ります。
「広報の戦術としては、企画性、ストーリー性、
 そして話題性を、つねに意識しています」

なるほど、この3つが、年を追うごとに、確実にアップしました。
前々作と前作、そして最新作をもういちど。
クリエイティブのクオリティも、上がっていますよ。

練馬区 Yori Dori Midori 練馬(よりどりみどり練馬)グリーンアート篇(30秒) CM (詳細)

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<グリーンアート篇>(2015年)

練馬区 Yori Dori Midori 練馬(よりどりみどり練馬)願いの木篇(30秒) CM (詳細)

  • 広告主
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    • 企業CM
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    • 310,812
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<願いの木篇>(2016年)

Yori Dori Midori 練馬(よりどりみどり練馬)|「I ♥ 練馬あるある」キャンペーンムービー(予告編) ~ほとんどオーストラリア篇~ (詳細)

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<ほとんどオーストラリア篇>(2017年)

その昔、ぼくが「としまえん」を担当していたとき、
練馬といえば、はっきりいってあまりいいイメージは
持たれていなかった気がします。
西武線駅貼りで「練馬の底力」というコピーを書いたのも、
ネガを強さとして、ポジに転換したかったから、だと記憶しています。

でも、時代は大きく変わりました。
あんなにベンリで緑が多く(23区でいちばんだそうです)、
住みやすいところはない、という話を、よく聞くようになりました。

でもそういうことって、自画自賛では、伝わらないんですよね。
今回の「ちょっとトホホ」くらいが、ちょうどいい。
うん、いい発見をしたのではないかな、と思っています。


おっと、もうひとつ。
この絵本、図書館に置かれているのはもちろん、
区内随所で手に入れることができるそうです。


さいごは、先ほどの市橋さんの言葉で締めましょうか。

「行政や区政に関心のない層が、
このキャンペーンによって興味をもってくれるようになって、
それを今後の行政との協働活動に生かせたら、いいですね」
執筆者:岡田直也
CMは、世の中の動きとまさに連動しています。イケイケの時は
勢いがいいし、沈滞してるときはどこか内省的になったりする。
そういう意味でCM観察とは、立派な社会学・考現学といえます。
それとは対極の「神はディテールに宿り給う」。これもまた事実。
些細な演出の妙など、作り手の意志が際立つ場合も、あるのです。
そう、CMの観かたは、大所高所から重箱の隅にいたるまで無限。
ぼくらがそれを、いろんな角度から提示できれば、と思ってます。

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