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いま一番難しいCM

東井 崇

札幌の東井です。

私事ながら、先月末に40歳になりました。
我ながら驚きです。
40年間もよく生きてこれたな、という驚きと、
40年間生きてきても、さほど成長していない感じがする驚き。

40歳になってからは、
いきなり茶碗を落として割るとか、
おなかが痛くなるとかあったので、
神社に行ってきたほうがいいんでしょうね…。
(このあたりの発想が40歳らしくない)

さて、今回は電力会社のCMをご紹介します。
そう、北海道の電力会社といえば
北海道電力、愛称は「ほくでん」です。

3タイプあります。

ほくでん テレビCM「人が、エネルギー。(冬の送電線保守)」篇 30秒 (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
1本目は送電線の保守点検を訴求する内容。
冬の寒さが厳しい北海道においては、まさに人命に関わる仕事です。
大寒波の時に停電が起きると、本当に危ないですから…。

テレビCM「人が、エネルギー。(発電所の訓練・点検篇)」 (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!

2本目は発電所における日々の訓練や点検を訴求。

ほくでん テレビCM「人が、エネルギー。(女性技術社員篇)」 30秒 (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!

そして、3本目は女性技術職が活躍していることを紹介。


このシリーズのタグラインは、「人が、エネルギー。」となっています。

これは、なかなか絶妙な狙いどころと感じました。


衆知の通り、東日本大震災以降、電気を取り巻く環境が激変。

従来からあった電力会社にとっては厳しい状況が続いています。

世の中には電気に対するさまざまな主義主張が飛び交っているわけで。

そんなムードの中で、どのようなメッセージを打ち出すか、

っていうのはかなり難易度が高い仕事だなと思いました。

恐らく、今このタイミングで広告を打つべきか否かについて、

クライアント内部でも、かなり議論を重ねたのではないでしょうか。


そんな条件を踏まえると、

電気や電力会社の必要性を正面切って主張しても、

世の中に対して響かない、

いや逆効果になる可能性が高い。


そこで、「人が、エネルギー。」という切り口で、

電気ではなく、

働く人たち、しかも電気の安定供給や安全に貢献する人たちに

光を当てる戦略をとっています。

CM内で言っていることは事実ベースであり、否定しづらい内容。

このあたりまでも設計されたCMだと推察した次第です。



と深読みしていたのですが、

もう1シリーズ、

全然別のCMもOAしており…

ほくでん テレビCM「ハローキティシリーズ(でんき相談篇)」 15秒 (詳細)

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HA
面白い!
好き!
感動!
キティちゃんとコラボ…。
これもまあ否定がしづらいのかな…、キティちゃんだし。
狙っているのかどうかは不確かですが、
振り幅がすごいですね。


というわけで、電力会社の広告って、
今一番難易度が高い仕事だと思います。
自分がクリエイティブディレクションするなら、
どうするのかなぁ、
とちょっと考え込んでしまいました。
執筆者:東井 崇
1977年富山県生まれ。岐阜県出身。札幌在住。
リクルートメディアコミュニケーションズ、電通北海道を経て、
2012年に独立。現在はフリーでコピーライターをやっています。
なんだかんだで広告が好きなようです。
とはいえ、地方なので、広告に限らず仕事の守備範囲は広め。
人生で初めて飼った猫を溺愛する日々です。
www.takashitoi.com

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