Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

ぼくのオススメ・アート 1

2017/11/22

調子に乗ったついでに(誰か止めてくれい!)、

アートについても、ぼくの大好物を紹介してしまおうか。



まず、絵画をふたつ。

ひとつめは、19世紀のイギリスを風靡したラファエル前派の旗頭、

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ作「ベアタ・ベアトリクス」。


その昔、ロンドンロケの空き時間に、テート・ギャラリーを訪れ、

憧れのこの作品と対面することができました。

なん10分も動かずに、ずっと見つめつづけていました・・・。

ダンテとヴェルギリウスが佇むフィレンツェの町をバックに、

ベアトリーチェになぞらえて亡妻を描いた、この作品、

「死」が耽美な香りを放つその画面に、そしてむしろ恍惚然とした彼女の表情に、

ふわりと魂を持っていかれそうになります。

来るべき象徴派の先駆をなしている、といえるかも知れない。


ちなみにこ、ロセッティの元妻の名は、エリザベス・シダル。

有名な、ジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」~

宝島社の広告で樹木希林さんが扮して話題となった、あの絵~

のモデルになった人でもあるのです。

このラファエル前派の愛憎相関図、話し出せばキリがないんで、

それはまた、いつか。



そしてもうひとつは、フラ・アンジェリコ作「受胎告知」。

この絵は、フィレンツェまで行かなければ、会うことが叶わないので、

図版に見入るだけ、なんですが。

もうほんとに、静謐で高潔で、非の打ちどころがありません。

イタリア・ルネサンス後期の、マニエリスムへと向かってゆく、

ダイナミックな表現も魅力的なんだけれど、

この作品に代表される、ルネサンス初期のもの、ことのほか好きなんです。


中世絵画の香りをすこしだけ残す人物描写と、

一点消失を厳格に守った遠近法。

なんか、とても健気で、ヘンな言いかたにはなるけれど、

「かわいく、いとおしい」作品なんですね、ぼくにとっては。

ああ、フィレンツェ。いちど行ってみたいなあ・・・。

(じつは、2つのオススメ絵画が、フィレンツェでつながっていた!)


                         (つづく)

ぼくのおススメクラシック!

2017/11/19

では、クラシック・コーナーの締めとして、

ぼくの大好きな作品、おススメの作品をふたつ、ぜひ紹介させてください。

ともに、涙が出るほど美しいんです・・・。


まずは、スーク作曲「弦楽セレナーデ」

かのドヴォルザークに師事し、その娘を妻に迎えもした、スーク。

師匠の弦楽セレナーデも有名ですが、

(ドヴォルザーク、スークそしてチャイコフスキーの手になるものが、

 「三大弦楽セレナーデ」といわれています)

スークは、師をはるかに上回ったんじゃないか、とぼくには思えるのです。

いわゆるテンション・コードをふんだんに使った和音構成が、

とにかく、美しいこと限りない。

ぜひ、みんなにも聴いてほしい、逸品です。


それからもうひとつ、ブルッフ作曲「スコットランド幻想曲」

ドイツ人バイオリニスト・作曲家のブルッフが、

なぜここまで、スコティッシュな曲を書けたのか。

スコットランド民謡に特徴的なフレーズがいっぱいつまった、

ひと言でいえば「ドリーミー」な旋律。

有名なメンデルスゾーンの交響曲「スコットランド」の持つ、

どこか荒涼としたイメージをひっくり返しにいったんじゃないかと、

ぼくはひそかに睨んでいるんですけど。

ハイフェッツ演奏の名盤を、いつも聴いています。

うん、バイオリン曲の最高峰、なんじゃないかな。


どちらも、きっと聴いたことがあるはずです。

YouTubeでカンタンに試聴できるんで、ぜひぜひ!

グラス片手に交響曲!

2017/11/16

いつもの悪いクセで、

自分の得意なジャンルにふれると、どうも饒舌になっちゃう。

ということで、「クラシック音楽」に、もうすこしおつきあいを。


前回、酒を飲みながらイヤホンで聴く、という話をしましたが、

ここで的を19世紀後半の交響曲に絞って、

まずその作曲家を、8名チョイスします。

その作曲家とは、


 A.シューマン

 B.ブラームス

 C.シューベルト

 D.チャイコフスキー

 E.ブルックナー

 F.マーラー

 G.シベリウス

 H.ラフマニノフ


いずれも著名な、交響曲の大家です。

つぎに、それらを聴いての、ぼくの個人的な印象

~あくまで恣意的なものですけど。しかも酒飲んでる!~

を書き連ねてみます。

さて、それぞれどの作曲家の作品のことを言っているのか、

当ててみてください。

クラシック好きのなかには、共感してくれる人もいるんじゃないかなあ。


 1.そう来るか!来るよね!という感じの、転調とアンサンブルの妙。

 2.悩んだときは、いっそ大胆に。曲作りをとことん楽しんでるなあ。

 3.弦楽器のユニゾンが、こうも力強く、こころに響きわたるとは。

 4.なんか寒いのに、ほんとは息苦しくなるほど熱く、重たい。

 5.いくぞいくぞ!そら来た!みたいな、ドラマチックな筋立て。

 6.そこ、もっと張ればいいのに・・・ああ、そうもいかないのか・・・。

 7.スケールで音階をたどる手法に、こころの動きを追体験できるような・・・。

 8.タッタカタッタカというあのリズムは、きっと彼の鼓動なんだ。


わかりますか? わかってもらえるかなあ?

正解は、


 A-6 B-1 C-8 D-7 E-5 F-2 G-4 H-3


でした。

いや、むずかしいだろうなあ。

しかも、多少酔っていての感想だからね。



・・・ちょっとマニアックすぎたかなあ。

でも、いってみればぼくは

「あした なに聴いて、生きていく?」だかね、しょうがないや。


といいながら、ロックミュージックも大好きだしなあ。

音楽に限らず、文学にもアートにも造詣が深いしねえ・・・。

まあ、時々はマニアックなもの、書きますからね、と言っておこうか・・・。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。