Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

ライブ、やりました!

2017/05/26
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やはり、5月20日のライブの報告、やっとかなきゃな。


いやあ、なんとかやりおおせたのだけれど、

細かいミスが多くて、

打ち上げのときからすでに、若干落ち込んでいました。

油断からの風邪気味、だったこともあって、

声もあんまり、調子がよくなかったようだし。


まあでもね、ありがたいことに動員数は過去最高だったし、

お客さんたち、けっこう楽しそうだったし、

ぼくらのほうも、緊張なんてみじんもなく、楽しめたし、

全体としては成功、だったんじゃないかとは思います。

まあ、いろんな反省は次回に生かすとして。


しかし、今回あらためて、MCの重要さ、学びましたなあ。

いつもは撤収の時間を気にして、

喋くりにあまり時間を取っていなかったんだけど、

今年は、曲間にすこし余裕を持たせたので、

演目の紹介などもちゃんと入れることができたんです。


もっとも、ぼくらがやるのは基本的に、

70年代くらいの古いものか、あるいはマニアックなものばかりなので、

曲の紹介と解説はほんらい必、なはずなんですね。

それを今回は、けっこう手厚くやった。

そうすると、客席からかなりの反応がある。

理想的にはそれにオチをつけて、

笑いを取ってから演奏にはいってゆく。


うん、これだ! と思いましたよ。


まあ、ぼくらもいい歳ひっさげてるんで、

口ベタなんです、なんかは言い訳にもならない。

ましてぼくなんか、コミュニケーションの仲立ちを生業としてる。

MCがちゃんとできて、アタリマエなんだよね。

ですよねー。


まあ、そこが再確認できたことは、確かな収穫ではあるので、

ちょっとは救われたかな、って気がしています。


また来年に向けて、がんばろっと。

(なんとゲンキンなヤツ・・・)



あをによし 奈良の都は・・・

2017/05/23
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その、大市交のドア横も、広告のひとつ、には違いないのですが、

ぼくらの通常の生業について言うと、

文言に関することは、とうぜんコピーライターの自己責任、になります。

加えて、それぞれのメディアもチェックを入れる。

なので、「間違い」が世に出てしまう確率は、けっこう低い。

まあそれでも、おかしな表記とか、変換ミスとか、

小さなものがスルーされちゃうことは、確かにあります。


もちろん、コピーライターとしては、

どんな些細なものも見逃さない気概が必、ではありますが。



ところがです。

文言内容の間違いというか、事実誤認というか、

そういうものになると、話はまた別。


ぼくの知っている例を、ひとつだけ紹介しましょうか。


数年前、OCC(大阪コピーライターズ・クラブ)の審査でのこと。

近鉄の、奈良へのいざないを題材としたポスターのキャッチフレーズに、


    「〇〇(前の句、咲き誇る花々が、だったかな? そんな感じでした) 

    つよい香りを放っている、 そんな都がありました。」


というのがあったんです。

これ、勘づいてくれたと思うけど、小野老の有名な歌、


    あをによし 奈良の都は咲く花の 匂うがごとく いま盛りなり


をモチーフにしていますね、明らかにね。

ところが、この解釈は間違い、です。


上代は、「匂う」の意味が、いまとはまったく違っていた。

奈良時代にはこのコトバ、「鮮やかな赤い色」、なんです!

うそだと思ったら、辞書をあたってみてください。

このコトバの意味の変遷が、くわしく書かれているはずですから。


平城京という都はそもそも、中国を模範としたもの。

したがって、「花」とは決して桜ではなく、中国風に、梅か桃のはずです。

もしかしたら、牡丹なんかであったかも知れない。

ほら、どれも、「鮮やかな赤い色」の正体になり得ますよね。


なので、この元歌の正しい解釈は、

「奈良の都では、鮮やかな赤い色をした花々が咲き誇っている。

そんな、いまが盛りの華やかな都なんだ」

ということになる。


こう捉えれば、枕詞にある「あを」が生きてくる。

青(緑・碧)と赤また赤。めくるめく色彩の世界になるんです。

いかにも中国風な、ちょっとケバケバしい感じも出てきますね。

「匂い」とするより、どれだけいいかわからない。



こういうことを、コピーライターは知らなかった。

さらにクライアントも、媒体社も、知らなかった、ということになります。


まあ、こんなことに目くじら立てるのは、ぼくぐらい。

それは重々、わかっちゃおります。

でもね、逆に言えば、コトバの正しい意味を知らないことで、

みんなどれだけ損をしてるか、ってことですよ。


そう、「無知」はコワイ。

だから、日本語・コトバについての啓蒙が、欠かせない。



おう、やっぱりそうか。

ぼくのライフワークは、そこなのかも知れないなあ・・・。



地下鉄で見つけたヘンな文言 1

2017/05/20
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大阪で地下鉄に乗ると、

ドア横にある、大市交(大阪市交通局)のメッセージが、

けっこう目に飛びこんできます。

ちょうど人の目線の位置にあるんで、

地味な作りのわりには、目立っているんですね。


そこでです。その文言が、どうにも気になってしかたがない。


「~皆できずこう明るい未来」。

これは、前にいちど触れたことがありましたね。

「きず」が目立ちすぎて、どうにも気持ちがわるい。

ぼくだったら、「みなで築こう」とするはず。そんな話でした。


じつはもうひとつ、あるんです。

「痴漢撲滅」をテーマとしたものにで、

「~見て見ぬふりしないで 声出して チカンさせない 大きな勇気」というもの。


モンダイは、「大きな勇気」。めちゃくちゃ気になります。

みんなが一歩だけ踏み出せば、被害は減るはず。

そんなことを訴えたいに決まっているのに、

「大きな勇気」とは、またハードル上げたもんだなあ。

ここはダンゼン、「小さな勇気」とするべきです。


なんで、そうなっちゃうんだろう?

チェックする人、責任取る人がきっと、いないんですね。


こういうものを見るにつけ、

ここはコピーライターの領分なのではないか、と思うのです。

我々は、街中にあふれるオカシな文言を、正していかなければならない。

だって、ぼくらしかやる人はいないから。


うん、そういうことを、ぼくのライフワークにしてもいいかな、と思ったりもしますね。

でもモンダイなのは、それ以前。

つまり、文言を発信する側の、日本語・コトバに対する、意識の低さ。

そこ、だよなあ。



正す前に、もっと啓蒙を、ってことなんでしょうか・・・。


岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。