Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

セキスイハウスのこと 1

2016年09月28日
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最近、どうも頭から離れない、というか、

しっかりと刷りこまれてしまった、CMのジングルがあります。

多くのひとが、ぼくとおなじ状態にもってかれちゃった、と思うんだけど、

それが、「セキスイハウス」のCM。


あの、小林亜星さん作の「社歌」、ずっと使いつづけていますね。

もうどのくらいになるのだろうか、いろんなアレンジを耳にしてきました。

「継続は力なり」をまさに地でいくような。

そう、ひとつのブランディング戦略として、

その出稿量の多さとも相まって、ほんとに機能してる、と思います。


また、CMじたいも、よく考えられていますよね。


とくにいま、よく目にするのは、「また、ここで・・・」篇。

「なんかさ」~犬と娘の出会いと成長を描いた、作品です。

これ、細部にわたって、とてもよく出来ています。

カメラアングルや、つなぎかたも上手だし。

とくに、子役の演技がすばらしい。


「おばあちゃんになったね」~犬と娘の対話の場面は、

おそらく、ひとり暮らしをはじめるとかで、家を出る、という設定のもと、なのでしょう。

そしてラストに、娘の成長過程を追った写真がならびますが、

そこに、ウエディングドレス姿がある。これが、じつに効いています。

もしかしたら、この犬は、もう2度と、娘に会えなかったのかも知れない。

ここでの「対話」が、最後になったかも知れない・・・。

そんな、感傷的な余韻をのこして、CMは終わります。


うん、いいですよね。

けっして賞をたくさん取るような作品ではないけれども、

それこそ、「じわる」出来栄えだと、思うのです。

もちろん、その余韻と、例のジングルがいっしょになって、

受け手のこころにしっかり刻まれる、ということなんでしょうね。


ひとつ前の、「犬と少年」篇もよかったけど、

こちらのほうが、ひとまわりよくなった、という感じです。


                    (つづく)





岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。