Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

ボブ・ディランのこと。

2016年10月19日
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ボブ・ディランが、ノーベル文学賞を獲りました。


これ、テレビのニュース速報で入ったからね。

「シンガー・ソングライター(いささか古めかしい言いかた!)のボブ・ディラン氏」

と、まずスーパーに出たんで、おっ、亡くなったのか、と思いきや・・・。

そうか、きょうは文学賞発表の日だったな、

ハルキニストは、さぞや落胆してるだろうな、と即座に思ったものでした。


意外といえば意外ですが、ノーベル賞の基準も世につれ、ということなのでしょう。

画期的で、いいことなんじゃないかな、と思います。


ただ、世界の文壇から、いくつか否定的な声が上がったことは、ちょっと残念。

ちがう業界ならまだしも、同業者がそういう発言しては、いけないですね。

とくに、候補として名が挙がってる人なら、なおさらです。みっともない。


さてさて、新聞の論評で見たのだ、と思うけれど、

たとえば「風に吹かれて」の歌詞、

”The Answer Is Blowing In the Wind”のくだりを、

いまの若い人は、「がんばっていれば、いつか陽の目をみる」と、

肯定的に捉えてしまうんじゃないか、と誰かが言っていた。

いや、ぼくも全く同意見で、当時の状況を考えれば、

ディランの前、ピート・シーガーからしてそうなんだけど、

反体制・反権力を通奏低音とした、ある種の諦念といったら過ぎるだろうか、

そんなものが曲全体を覆っているんです、いま見直すとね。

だから「明るい未来」なんて歌うわけがない、と思うんですよね。


そのあたりの、時代の空気感には、現在とはかなりな隔たりがある。

いまはあまりにみんな、ノーテンキだからなあ。

昨今の若い人は、ディランのよき理解者になりえるのかどうか、

ちょっと心配なところがありますね。


ともあれ、あの時代、彼の影響を受けなかったミュージシャンは、

おそらくいなかった、のではないでしょうか。

日本では間違いなく、ひところの「関西フォーク」をつき動かしただろうし、

吉田拓郎や井上陽水などの強烈な個性にも、インスパイアしただろうし。


本国でも、ニール・ヤングなどが彼の精神を引き継いだ、とぼくは見ています。

まあそれが、ジャクソン・ブラウンやエルヴィス・コステロになると、

どんどんパーソナルになって、発展解消しちゃうんだけども。


・・・おっと、音楽の話になると、ついつい・・・。

まあとにかく、ボブ・ディランの受賞は、うれしいことです。


ついで、といったら怒られるかもしれないけど、

ジョン・レノンに、さかのぼって平和賞を、というのはどうだろう?

政治家にあげるより、よっぽどいいと思うんだけどなあ・・・。


あ、これはぼくの妄想でした・・・。


岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。