Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

これぞ、広告制作の醍醐味!

2015年12月31日
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早いものですね。もう年が改まろうとしてる。

それでは、ぼくの今までの経験のなかで、
「仕事にまつわる、いちばんうれしかった瞬間」を紹介して、
今年の結びとしようか。

それは、もう30年くらい前のこと。
東京練馬区にある「豊島園」を担当していたときのことです。

ある日、仕事だったかプライベートだったかは忘れたけれど、
西武池袋線の各停に乗っていました。
昼の時間帯で、車内はガラガラだったように記憶しています。
ぼくは、シートの端、ドアよりに座っていたのですが、
たまたま頭上に、ぼくのつくった豊島園の中吊りがかかっていました。
「おう、出てるわい。テンションあがるわー」ってな感じ。
(おそらく、ドヤ顔だったんでしょうね、ハタ目には)

するとしばらくして、ある駅でドアが開いて、
3~4人の男子高校生たちが乗りこんできたんです。
そしたら彼ら、ほどなくして、ぼくのつくった中吊りを指さして、
ゲラゲラみんなで笑い出した!

いやいや、ビックリもしたけれど、
とにかく、うれしかった。涙がでるほど、うれしかった!
だって、じぶんの作品が、誰かの気持ちを動かしてるじゃないか。
しかもそれが、じぶんの目の前、手の届きそうなところで。
これは、ぼくの経験のなかで、文句なく最高級の感動の場面でした。

ぼくら制作者のホンネはきっと、こうです。
~じぶんの作った広告で、売り上げがアップする、来場者がふえる。
まあ、うれしくないわけじゃないけど、どこかピンとこない。
それが話題になって、いろいろなところで取り上げられる
うん、うれしい。苦労した甲斐があった、と思う。
じゃあ、賞をもらう。これは、かなりうれしい。
モチベーションがぐっと高まり、じぶんが一段上がった感じになるから。

でもね、「届いた!」ことを確認する、ナマの体験は、
ちょっとレベルがちがうように、ぼくは思うのです。
たとえそれが一人だけ、でもいい。
ちゃんと伝わって、笑ってくれる。あるいは泣いてくれる。
それを知った時、いや、ぼくのように、偶然知ることができた時が、
サイコー! なんです。

これぞ、広告制作の醍醐味。
こういう瞬間を味わいたければ、ぜひ広告業界へ!

なんか、ヘタくそなプレゼンテーションになっちゃったけど、
「若い人に伝えたいこと」って、こういうのでいいんだと思う。
ちょっとこれから、じぶんの引き出しいろいろあけて、陽にあてて、
ちゃんと語れるようにしておきます。

ということで、来年も、ますますよろしく!

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。