Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

なぜ、カジノ?

2016/12/12

ここで、広告とは直接カンケイないんだけど、

言いたくてしょうがないことを、書きます。

 

なんで、「カジノ」なんだろ?

 

まず、一般の人~老いも若きも~が楽しむイメージがない。

富裕層と外国人観光客のためのもの、ですよ。

それに、野党なんかが指摘するように、

副作用=ギャンブル依存症のような、予想される負の要素が、

まったく考慮・検討されていない。

 

だいいち、「日本」と「カジノ」のあいだには、

なんの縁もゆかりも、ありませんよね。

たとえば、アニメやコスプレなんかを中心とした、

「サブカル天国」をつくるのなら、話はわかるんだけど。

 

ぼくは、カジノみたいなものは本来、「経済特区」がやるべきことと思う。

大阪なんかはその典型で、手を打たないとジリ貧、なところが、

最終手段として特区をつくって、やる。そういうもんだと思う。

いや、もし、やるとするならね。

そして大阪を、東京にも上海にもソウルにもシンガポールにも似ていない、

オリジナルなキャラをもつ都市に仕立ててゆくのなら、

それはそれで、意味のあることですけれどね。

 

 

なにより、「カジノが成長戦略をになう」(出た! 魅惑のタームが!)、

つまり、日銭をかき集める装置をつくって経済をまわす、

という発想そのものが、とても安易で、詭弁に思えてなりません。

 

そんな、ほんらい日本とは関係のないことより、

それこそ日本の「レガシー」を活用して、

伝統文化に根ざしたもので、大きなしくみをつくり、

観光客誘致や雇用促進を行ってゆくほうが、

よっぽど理にかなっているし、サスティナブルでもあると思う。

たとえば、既存のソフト・ハード両面を活用して、

「温泉」を旗印に、熱海とか別府を大改造するとかね。

あるいは前述したように、「サブカル日本」をテーマにしてもいい。

 

ようは、定評のあるしっかりした「文化」を中心に据えないと、

成功なんかするわけないし、ましてや長続きもしない。

ぼくは真摯に、そう思いますね。

 

冒頭に、広告とはカンケイない、と書いたけれど、

じつはその「しっかりとした文化」が根っこにあって、

目立つこととオリジナリティをたいせつにしながら、

持続させることを前提に、すべてを組み立ててゆく・・・。

(もちろん、予算のこともアタマに入れて)

それって、広告の発想とまったくいっしょ、だと思うのです。

 

(それにしても、首相のたんなる思いつき、にしか見えないことに、

安易に乗っかってしまう周りの輩には、あきれるばかり)

 

・・・敢えて、広告に近づけて言いますが、

「カジノ」は、「日本」まわりのキーワードとしてはあり得ない。

そして、「コンセプト」としても成り立ちません。

 

廃案になることを、望みます。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。