Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

元旦の新聞広告ウォッチング 2

2017/01/14

以前このコラムで述べたように、

元旦の出版広告はその昔、ひとつのトピックスでした。

夏ごろから準備を始め、競合プレ・再プレ・再々プレと、

各出版社の担当は、制作も営業も、とにかく多忙をきわめたもの。

面白いアイデアもたくさん出てきて、

それがまた(たとえボツになったものでも)、

社内で話題になったこともありましたね。

 

でもね、その熱も、今はどこへやら。

オモシロくなくなっちまいましたねえ。

企業広告・メッセージ広告というより、

全体的に「売り」に走っていますね、傾向として。

だいたい、15段使ってたった1冊の書籍広告、なんて、

もったいなさすぎやしないか・・・。

 

よく言われているように、

各出版社とも、今はタイヘンな時期のはず。

だって今後、リアル書店がなくなるかもしれないし、

新しい販売システムがweb中心に再構成されていく中で、

大手出版社といえども、情報ソースを提供する役割として、

いわば「取次」の地位に甘んじてゆくかもしれない。

(そうなった時、いちばん怖いのは「質の低下」ですね。

 売れそうな本ばかり出すようになっちゃうからね)

 

そういう、いわば「出版文化の危機」にさしかかってるときこそ、

世の中に対して、みなで考えよう、というスタンスで、

なんらかのメッセージを投げかけるべきだ、と思うんだけど。

その最大のチャンスが、

元旦の新聞210面に載る広告を駆使することだったはずです。

 

もしぼくが、広告主にプランを提供する立場だったら、

まずそのへんから、徹底的に掘りおこしてみるだろうな。

 

 

まあ、そこまでシビアに攻めずとも、もっと世の中とリンクして、

今のひとたちに響きそうなメッセージを編み出すだろうな。

そうなんだよ。メッセージ=コピーが不在、って感じがします。

コピーライターがちゃんと機能してるの? という気さえする。

 

(まあ、出版社系というのはちょっと特殊で、

 広告主もいっしょにコピー考えちゃう、ってとこがあるので、

 今年の広告は、そんな一面が前に出た、って気もします)

 

(世の中に触れてる感じがしたのは、

 光文社の「紙ってる」だけでしたね。

 これも、広告主作、の感じがつよいなあ・・・)

 

 

・・・まあ、いろいろ勝手なこと書きましたけど、

新聞広告はもっと、世の中にメッセージしようよ!

今のひとの気持ちに寄り添おうよ!

 

ぼくが言いたかったのは、そういうことなんです。
岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。