Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

「マーケ」の話、しましょうか。

2017/02/28

ではこのあたりでいちど、ほんらいの「広告ネタ」にもどろうか。

そうだよね、そっちが本筋だからね。


先週金曜東京で、ある代理店と打合せをしていたんだけど、

いわゆる「マーケ」セクションと、ぼくらクリエイティブとの関わりについて、

ちょっと思うところがあったので、それを書こうかな。


ぼくらにとって、というか、ぼく個人にとって、

「いいマーケ」「頼りになるマーケ」には、2つの典型があるような気がしています。


まずひとつめは、

「制作は、ぶっ飛んじゃってください。理屈はあとからつけますから」タイプ。

これは、ぼくらにとって都合がいい、と言ってしまえばそれまでなんだけど、

彼らの立ち位置が、いいんです。

最終アウトプットをたいせつにし、ともに楽しんでしまおう、というスタンスだから。

そういうマーケッターは、クリエイティブのことが実によくよくわかっている。

マーケとしては、こうであるべき、みたいな、原理主義的なことはいっさい口にしない。

こちらの想いに、みごとに寄り添ってくれる。

そりゃあ、信頼できるに決まってますよね。


ふたつめ。

これは、制作者にとっては、すごくやっかいなマーケ。

つまり、原理主義なんです。そのうえ、正論で押してくる。

おまけに、キャッチフレーズまがいのものを用意してしまう。

(それが、意外によかったりもするんだけど)

とうぜん、ぼくらとは論争、もっと言えば、喧嘩にもなります。

でもね、それがクオリティの高い結果を生むことが、往々にして、ある。

まあ、ひと言でいえば、「仮説をキチンと立てられるマーケ」ということです。

さらに、その仮説には確たる裏付けがあり、自信が伴っている。

キャッチまで書いて、悔しいことこの上ない。でも、正しい。勝てない。

そういうタイプ、ごく少数ですが、実際に遇ったことがあります。


いままでのぼくのキャリアでいえば、とくに博報堂時代、

上の2つに当てはまる人物の顔を、何人も思い浮かべることができます。


逆にいうと、ですね、

データを並べて概括だけをおこなって、

自分の主張も交えず、仮説もつくらず、結論を保留し、

「あとは制作さん、よろしく」というタイプが、世のなかにいかに多いことか。

ぼくは、そういう輩、まったく信用していません。

ムシします。

ムシして、一から自分で仮説を作り上げることにしています。


昨今、不動産の仕事をする機会が多いんですけど、

「マーケ」を名乗るスタッフは、大部分が、そうですね。

「だからどうなんだ」に、なかなか踏み込んでくれないんです。



まあ、大手代理店はクオリティがちがうんだ、と言ったら、

またまた、それまでの話、なんですが・・・。


ともかくいま、「いいマーケ」と仕事することに、飢えてるんですよ・・・。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。