Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

「マーケ」の話、しましょうか。 2

2017/03/03

前回、「いいマーケに飢えている」と書きました。

もうちょっと積極的に言ってみようかな。

「オレと丁々発止できるマーケ、出てこいや!」 おう、スッキリしたあ。


それもこれもぼくは本来、マーケぎらいなんです。

自分のアタマにはマーケが内蔵されている、と信じて、仕事してきたからね。

だって、広告アウトプットの核をなすメッセージ=キャッチフレーズというものは、

「なにを伝えるか」だけではなく、「いったい誰に、どんなニュアンスで受け取ってほしいのか」

までを計算しつくして、世に出すものだから。


考えてみれば、1970~90年代に活躍したコピーライターたちはすべて、

「マーケ内臓型」だったと思うのです。

糸井さんも仲畑さんも、眞木さんも岩崎さんも、みんなそうでした。

まあ、クリエイティブがもてはやされていた時代だったからなあ・・・。


ちょうどそのころ、マーケティングの世界でも、

「ラダリング」をはじめとする、いろんなメソッドが開発されて、

プレゼンの現場をにぎわしていた、と記憶します。


それが、なんかなあ、広告主を説得するために、

いや、もっと言えば、広告主内部でのコンセンサスづくりのために、

エビデンスが求められ、リクツが勝つようになってしまった。

逆に言えば、一本のキャッチの役割と強さ、一枚の写真の説得力はおろか、

ひとつの新しいマーケティング理論さえ、広告主が信じなくなってしまったのですね。

それに伴って、制作者もマーケッターも、すこし腰が引けてきた。

チャレンジを控えて、リクツに頼るようになってしまった・・・。

多少の自戒をこめて言えば、昨今の業界、そんな気配がするのです。


そういうご時世ならなおさら、

「仮説をキチンと立てられるマーケッター」が必要なんだ、と思います。

現状分析や課題の見つけかたなんて、誰にだってできる。

モンダイは、その先です。

広告主が理解できる範囲で、いくらでも仮説は立てられるのではないか。

ほんとうに、そう思うのです。

そして、それが可能な、優秀なマーケッターがいれば、

極論すれば、クリエイティブなんて、要らないのかも知れません。


また、そういうマーケがいない、のであれば、

ぼくら制作者が、あいかわらずマーケを兼ねればよい。

というか、兼ねているように動けばよい。

「これこれの説得材料を用意しといて」と、マーケや営業に指示を出せばすむ話です。


でもね・・・    (つづく)

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。