Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

まさに宝箱でした。元旦の新聞15段広告。

2016年01月11日
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さて、前回の流れのまま、ここで話を新聞媒体に移そう。

元日の朝刊。
こいつは毎年の習慣で、広告をとにかくじっくり見ることにしています。
何部もついてくる、別刷に掲載されているものもふくめて。
本紙紙面のアタマのほうはまず、大手出版社の全ページ広告が一堂に。
これは、ならわしというか、既得権というか。
しかも、まず岩波書店からと、順番まで決まっているんです。
そのへんは、今も昔も変わりがありません。

ちなみに、新聞1面下の、いわゆる書籍広告。
三八(さんやつ・・・3段8分割、ということです)と呼ばれるもの。
あれは、広告代理店の営業が作っていたりします。
(すくなくとも博報堂では、そうでした)
まあ、新聞媒体は既得権のかたまり、ということなんでしょうね。

ちょっと話がそれました。元に戻します。

それで、元日の新聞全面広告。
毎年恒例の代理店コンペが、大手5~6社ごとにあったもんです。
夏~秋は、企画作業とプレゼン準備でタイヘンだったこと、よく覚えています。
何回かそのコンペに参加し(参加させられ?)、
何本かは自作が掲載になりました。
掲載となると、それはうれしいもんです。
家で掲載紙を開いて、おそらくドヤ顔になってたんじゃないかな。

かつては、そんな広告が、かなりの波及効果をもたらしていた。
また、広告ウォッチの場としても、最適なものでした。
そこからいくつもの傑作が生まれたし。
身近な例としては、「宝島」が、そうですね。

ところが、最近はまったく勢いを失ってしまいました。
今年の広告を見ても、これは!というのはなかったなあ。
新聞という媒体が、もはや期待されていないことに加え、
(コストパーが合わない、という声をよく聞きます)
前号で書いたような、「正月感の薄らぎ」というか、
広告主の商習慣の変化もあいまって、
話題にさえ、ならなくなってしまいました。
これは一コピーライターにとっても、いや広告業界全体にとっても、
とても残念なことだと思うのです。

ま、新聞の捲土重来は、もはやムリですよね。
というか、やっぱり「マスメディア」が衰退してることの証、
と捉えるほうが、ふさわしいのかも・・・。
岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。