Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

ぼくが広告担当すると、なぜ・・・。

2016年01月23日
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この前、ふと思ったんだけど、
ぼくが担当した商業施設というか、まあ百貨店なんだけど、
そろいもそろって、もうなくなっちまったじゃないか・・・って。

ひとつめは、「川崎西武」。
1988年のオープン時、川崎はなにかと話題に事欠かない街でした。
映画館「チネチッタ」が流行り、「男女七人夏物語」の舞台にもなった。
あのリクルート事件も、たしか発端は川崎でした。
そんなことを踏まえ、ぼくが書いたコピーは、「川崎事件」。
大貫君が、「リップスティックから煙」のビジュアルを考え、
ぼくにとってもエポックメイキングな作品となりました。
現在は、複合商業施設「川崎ルフロン」になっています。

ふたつめは、札幌の「五番館西武」。
老舗の五番館デパートを、西武資本が買いとるカタチで増築リニュアル。
これが1990年のことでした。
「札新」という一行に、売りであった「レンガ造り」をビジュアライズ。
ちなみに、なぜ「五番」館なのかといえば、
開業当時、国鉄の駅で札幌は、小樽から数えて5番めだったから。
札幌の外港であった小樽「目線」の、命名のようですね。
この跡地、札幌駅前の一等地ですが、
ヨドバシカメラの新館が建つ予定、ということです。

そして3つめ、「心斎橋そごぅ」。
2005年、経営を再建し、大阪心斎橋にリニュアルオープン。
いろいろすったもんだした結果、「なにわ遊覧百貨店」という一行に。
キャラクターとして、和服姿の宮沢りえさんを起用しました。
(あ、「すったもんだ」からつながった!)
じつは彼女、あの伊右衛門よりまえに、関西化していたのでした。
ここでも、ミニ情報を。
「そごぅ」と、うの字を小さくあらわすのが正式です。なぜか。
これは、関西人の発音のしかたに理由があります。
関西のひとは、母音をはっきり音に出す傾向がつよい。
東京なら、「そごー」って感じで言いますよね。
ところが彼らは「そごう」と、「う」にチカラがこもっちゃう。
そこで、それを避けるため、「ぅ」を小さくした、のだそうです。
知らなかったでしょう。
その「心斎橋そごぅ」、いまは大丸百貨店、ですね。

そうなんです。この3つの百貨店、いまはもう、ないんです。
たまたま偶然、だったのか、
それとも、このぼくが貧乏神なのか・・・。
ちょっと考えさせられますねえ。

あ、まだあったぞ。
「ワイルドブルーヨコハマ」ってやつ。
そんな屋内プールなどの施設があったこと、知ってます?
90年代後半に、ちょっとだけ広告つくりました。
後輩コピーライターがTCC新人賞、獲りましたっけ。
これも、2001年に閉園。
ちっとも横浜なんかじゃなく、京浜工業地帯のどまん中。
きっと足の便の悪さも、足を引っ張ったんでしょうね。

ここまで来ると、なんかなあ、って感じです。
ようは、商業施設の賞味期限って、意外と短いんだ。
そう思うしか、ないですよねえ・・・。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。