Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

もうすこし、「心斎橋そごぅ」の話をしよう。

2016/01/26
前回ご紹介した「心斎橋そごぅ」について、もうすこし。

そもそもこの仕事、ADの長友啓典さんから、
西武と大阪の両方を知っているコピーライターということで、
ぼくに声がかかったんです。
最初、コピーは日暮真三さんが書かれてましたが、
ゆずっていただくカタチになったのかな。

まあそれはともかく、CMディレクターに中島信也さん、
カメラマンに稲越功一さん、そして宮沢りえさんと、
なんとも豪華なメンバーがそろったものでした。

そこでひとつ奇遇があったんですが、
ウチの妻が第一子懐妊のとき、まず検査に訪れた産院、
まあ、町の産科医なんですが、
じつはそこで、りえさんは生まれていたのでした!
これにはけっこうビックリしましたよ。

閑話休題。

この仕事、いろいろ紆余曲折した末に、かなりコンセプトがちがちの、
「なにわ遊覧百貨店」という一行に落ち着くのですが、
ぼくには、どうしてもやってみたいアイデアがあった。
それは、そごぅリニュアルオープンのキャッチを「ただいま!」とし、
それを受けて、地元が「おかえり!」と応える。

地元の盟主は、「大丸百貨店」。
ここを中心に、東急ハンズやロフトやオーパなど、
心斎橋界隈のいろんなお店が手を携えて歓迎する、というもの。

2000年に閉館してしまった、そごう大阪店を惜しむ声は、
ずっと鳴りやみませんでした。
そごうと大丸がそろってこその心斎橋、という人も多かったようです。
なので、あのそごうが帰ってくる、
しかも、西武という新しい文化の香りをまとって、のニュースは、
心斎橋にとっては、なによりの朗報。
ぼくはそう確信して、なんとかこの案を通そうと思い、
周旋奔走してみたんですが・・・。
そうはうまく行かなかったですね。
個別の地味な交渉を繰り返さねばならないし、
ぼくより前に、代理店が音をあげますよねえ。

せめて、大丸一店舗でもいいからやってくれれば、
きっと話題になったのになあ・・・。

そんなそごうも、いまは大丸となり、
あの、まさに「回遊百貨店」を象徴するような、
一階部分のつくりもそのままに、心斎橋の街並みにとけこんでいます。

ほんとうに、月日の経つのは早いものです。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。