Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

「日本舞踊」のこと 1

2018/03/28

先日、国立劇場に行ってきました。日本舞踊協会の公演を観るためです。

いや、縁あって、チケットもらったもので。

中高の同級生が、娘が出演するからといって、くれたんです。

それで、「日本舞踊というものを、いちど見てほしい」

「内輪だけのイベントになっているので、なにか意見がほしい」とも。

おう、もしかしたらなにか仕事のきっかけが作れるかもしれないと

(若干のスケベ心とともに)、おっとり刀で出かけたのでした。


  (日劇「春のをどり」みたいな、集団での舞踊を想像していたんだけど、

   ぜんぜん違いました。ほとんど「ピン芸」でしたね)


まず気がついたのは、日本舞踊って、日本人特有の所作の集合体なんだな、ということ。

折しも、大相撲春場所が開催中で、家にいれば、ついTV見ちゃうんだけど、

けっきょく、すり足で腰の位置を低く安定させて、という動きは、

相撲に通じるものがあるなあ、と感じました。


さらに、野球でいうところの「割れ」、つまり、上半身と下半身が逆の動きをするところが、

おおきな特徴になっているんだなあ、とも思ったんです。

いわゆる「姿(しな)」も「見得(みえ)も、そういった「ひねり」のうち、ですよね。

首だけが動きのベクトルを逆にしている。

そういう日本的な所作、日本人の身体感覚のあらわれが凝縮されたものが日本舞踊、

ということになるんじゃないかなあ。今さらながら、膝を打ちましたね。



おっと、感心ばかりしているわけにはいかない。

気になることも、とうぜんありました。

それは、上述したように、これがわれわれの身体感覚の基本、ということなら、

とうぜん、歌舞伎や能といった、他の芸能領域とカブってくるわけですが、

そのへんの差異が、ちょっとアイマイになってやしないかなあ。

もちろん、舞踊がすべての原点、といってしまえばそれまでなんだけど、

なんか、総花的にすぎるなあ、という印象をもちました。


「日本舞踊」というより、「日本の伝統的な所作・型」という感じかな。

パントマイムの要素がかなり入っていることも手伝ってか、

「日本舞踊」というものの輪郭が、すこしぼやけて見えたんですね。


                      (つづく)

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。