Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

いまなぜ、CM Funなのか 1.

2015年12月01日
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いま、CMというものが、転換点にさしかかっていますね。

大きなうねりとして、地上波主体、スポット主体から、Webへの移行が進んでいます。
それは、本来「偶発的に」見るものだったCMが、あるいは録画のときにスキップされて
しまう運命を背負っていたCMが、選んで見るもの、オンデマンドで楽しむものへと変貌をとげていくことを意味します。
CMとの接し方が、根本的に変わる、ということなんです。

この動きはおそらく、いろんな方面へと、影響が及ぶと思われるのです。

まずは、CMの役割が、「売るためのコミュニケーション」から、より深い理解を促進し、ファンを作ってゆく、あるいは囲い込むためのツールになってゆく、ということ。
よりパーソナル・コミュニケーションの要素が強まるわけです。
Web主体になれば、それはある意味、当然のことですが。

それに伴い、社名・商品名・商品特徴などを「すりこむ」、要するに「連呼型」のつくりが
勢いを失う、ということでもあるように思えます。
だとしたら、今もCMの主流として君臨する、15秒CM(これは、日本でガラパゴス的に発展したもの。世界基準とはかけ離れています)が役目を終える、なんてことになるのかも
知れません。

さらに、Webであれば、TVとちがい、尺はかなり調整がきくので、15秒という制限から自由になったCMは、つくり方、表現手法も大きく変わらざるを得ない、ということにもなるのではないでしょうか。
ぼくら制作者は、15秒CMをつくるとき、「なにを残すか」「なにを覚えてもらうか」を、
綿密に計算します。ほんと、短いですから。
でも、そのタガが取れたら、事情はがらりと変わるわけで。
見るひとにとっても、また違った楽しみ方をみつけられるようになるかも、ですね。

いまの私たちは、そんな変革期のただ中にいる、ということになるのです。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。