Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

コワイコワイ、でもオモシロイ、「誤植」の話 1

2016年04月10日
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ここいらで「誤植」を、話題として取り上げようか。

まず、昔と今では、その傾向もスタイルも違う、ということから始めねば。


昔は、「写植」そして「版下」による広告制作が行われていました。

ここから解説しなきゃ、いけないね。


「写植」とは、写真植字のことで、早い話が、文字を印画紙に焼くわけです。

それを、デザイナーが版下に貼りつける。そういう作業をするのですね。

そういう時代の誤植には、大きく3つの原因が考えられます。


ひとつめは、書き手じたいの、書き間違い。

写植屋さんは、オリジナルの原稿に忠実に、活字を拾いますから、

間違いは、間違いのままになるわけです。


ふたつめは、写植屋さんによる、活字の拾い間違い。

カタチの似た字をチョイスしてしまうんですね。これ、よくあったことです。


そして、みっつめは、版下段階での、文字の脱落。

凝ったデザイナーになると、一文字一文字、手作業で文字間を詰めたりしてた。

そうすると、なにかのはずみに、貼った文字が落っこちちゃう。

これも、けっこうあり得ることでした。


まあ、今の「誤植」は、書き手の間違いはもちろんあるにせよ、

多くは「誤変換」なんでしょうね。

でも、けっこうビミョーなものが多いね。「機運」と「気運」、「機械」と「器械」とか。

どっちでも意味が通じるようなもの。それなら、たまに見かけるような気がします。

メール文などについては、いろんな誤変換が面白おかしく紹介されていたりもしますが、

こと広告にかぎっては、ありえないことだ、と思います。


                              (つづく)

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。