Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

広告主は、プレゼンをこう評価する!

2016年05月01日
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さてさてその競合プレゼン、どんなふうに「評価」されているのだろう?

前回、広告主の基準がわからない、と正直に書いちゃいましたが、

「なんでこれが通んないんだろ」

「どうしてあんなのに決まっちゃうんだろ」

何度、そう思わされたことか。まったく、数えきれません。

 

ヤクルトスワローズ時代の野村克也監督の名言に、

「勝ちに不思議な勝ちあり 負けに不思議な負けなし」がありますが、

こと広告業界においては、まったく逆なんじゃないか、と思ってますよ。

つまり「勝ちに不思議な勝ちなし 負けに不思議な負けあり」。

これ、ホントなんですからー。

 

じゃあ、それはいったい、どういうことから、もたらされるのだろう?

 

さてさて、ここからはぼくの「妄想タイム」です。

広告主内部のプレゼン評価、ちょっとシミュレーションしてみます。

 

 

前回、「評価表」という話をしましたが、

原因は、おそらくそこにあるのではないか、という仮説を立ててみました。

 

たとえば、A社が自信をもって提出した企画・X案があったとします。

案の定、広告主内部で、平均80点をとることができました。

(広告主によって、配点の構成などはもちろん、多種多様と思われますが)

ただ、この案は今までとアプローチが違うために、

既存のターゲット・既存のメディアを見直す必要がある。

かつ、制作費も割高である・・・。

ハイ、その3項目で、マイナス30点。

最終評価は、なんと50点になってしまいました。

 

それに対し、2番めに評価されたのは、B社のY案。

じつはクリエイティブとしては、40点しかとれませんでした。

でも、ターゲットとメディアに関しては、なんの問題もナシ。

現行路線を、さらに強化することができる。

プラス20点で、最終評価は、60点。

――ほら、逆転が起こってしまいました!

 

なんども言いますが、これはぼくの個人的な妄想です。

でもそうイメージすることで、「不思議な負け」が説明できると思いません?

前回、「スルドイ案も丸められてしまう」と言ったのは、

ちゃんと解説すれば、こういうことだったのです。

 

まあ、そこが広告主と制作者のあいだの「ズレ」なんでしょうね。

ぼくらにはおそらく、「減点法」という発想は、ないですから。

なにか欠点があれば、ほかの要素できっと補える、とか、

欠点を補ってあまりあるパワーがあるので大丈夫、などと考えてしまうもんで。

 

ということは、よくいえば広告主は、ちゃんとリスクを背負いこんでる、ことになる。

それに対して制作者は悪くいえば、リスクを負わない、なんと無責任な人種なんだろう!

 

でも、ひと皮ふた皮むけば、誰だってそうなんじゃないかなあ・・・。

 

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。