Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

つぎは「打ち合わせ」の話! 1

2016/05/04

その昔、ぼくらの「ハレ」の場がプレゼンだったとすれば、

「ケ」において、おそらくいちばん時間をかけていたと思われるのが、そう、「打ち合わせ」でした。

 

つまりは、企画会議です。

まあ、良くいえば、ブレスト。ありていにいえば、エンドレスの案出し地獄。

とにかく、いいアイデアが出るまでやったもんです。

えんえん10時間くらいに及ぶものも、ありましたっけ。

 

あのころの先輩たちはみんな、そういう打ち合わせが、大好きでしたね。

会社の会議室で、はもちろんのこと、若手を集めてホテルにこもったり、

中華屋の2階で飲みながら、というひともいた。

とにかく、CD役の人間の個性の発露、というか、

いろんなところで、いろんなやり方、あったみたいですね。

 

ぼくはといえば、上が「会議室派」だったこともあり、会社に籠ることが多かった。寝泊りもしました。

そういう打ち合わせに、新人のときから参加させられてたんだけど、

最初は、もう苦痛以外のなにものでもありませんでした。

かなりの頻度で、発言を促されるんです。

そんな、もうなにも浮かばないよ、という状態になっても、

「なんか言え」ってなる。言わないと、怒られる。

いやはや、ホントにつらかった思い出しかありません。

 

でも、求められているのは、正しい答なんかじゃないんです。

「まったくの思いつき、バカなこと」でかまわない。

なんらかのヒントや、アイデアの糸口を探しているんです、みんなが。

なので、発言から刺激をもらいたいんですね。

そうなんです。新人のくだらない思いつきが、じつは革新的な企画を生み出す発端だった・・・。

そんなことだって、おおいにあり得るわけなんです。

 

そうだとわかってはいても、その「バカ」が、なかなか言えない。

バカになりきれない。いいこと言おうと、逆にお利口になっちゃう。

こういうときほど、キャラが出る、人間性が出る場って、

なかなかない、のでしょうね。

 

でも、あとになって思えば、

そういった「特訓」、かなり有意義だったんだなあ、と思います。

アイデアの見つけ方もさることながら、それを人に伝えるテクニックや、

断片のピースから、大きな全体を組み上げる手法など、

あの「打ち合わせ」群から教わったことは、少なくありません。

 

でもね、今って、どうなんだろう。

そういったやり方は、なかなか継承していきづらい、のかも知れませんね。

効率優先、コスパ優先の世の中、バカなことは、なかなか言えないか・・・。

 

                         (つづく)

 

 

 

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。