Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

CM音楽の、おはなし 2

2016年06月06日
このエントリーをはてなブックマークに追加

CM音楽制作、ということで思い出されるのは、キリン「一番搾り」。

20年ほど前、他店から競合プレゼンの末奪取し、23年担当したものですが、

使用する音楽を決めておこう、ということになり、

クライアントや演出家と何回も話し合った結果、

ジャズのスタンダード“Tea for Two”を使おう、ということに。

この有名な曲を、CMのテーマに合わせてときにはアレンジを変えつつも、

継続使用することによってブランドを守ろう、というわけなのです。

 

じじつ、それまで一番搾りの音楽といえば、「ミュージカル”One”のテーマ」。

(あの緒形拳さんが出ていた、懐かしいCM、ですね)

一番搾りのブランドづくりに一役買ったことは、まちがいないでしょう。

 

担当末期の次期展開プレゼンのときには、

Smile”(映画「モダンタイムズ」のテーマ)をビデオコンテに当てた。

そんな憶えも、ありますけどね。

 

 

まあともかく、このCM音楽ってやつ、とにかく「刷り込まれ」ちゃうものです。

コミュニケーションツールとして、すごく早い。

聴こえてくるたび、「あ、あれだ!」ってことになるからね。

タレント以上に、アイデンティティをつくりやすい、かもしれません。

 

古いネタになるけれど、ホンダの「ボレロ」、サントリーの「大地の歌」、

ブリヂストン“I’m not in Love”(10cc)なんぞは、

ぼくの耳にこびりついてて、いまだに離れてくれません・・・。

また、JR東海の“My Favorite Thing”も、忘れがたいなあ。

終わり近くにワーっと盛り上がって、CIと一体になってる感じ。

あれは、耳残りしますよね。

「クリスマスイブ」より、ぼくにとっては印象が深いものでした。

 

最近でも、聴けば「あれ!」と思う曲、たくさんありますよね。

たとえば、Doobie Brothersの“What a Fool Believes”とか、

J.Giles Bandの“Center Fold”とか、

Deep Purpleの“Burn”とか・・・。

あえて、どこのCMで使ってたかは、伏せときます。

わからないひとは、調べてみてください。

みんな、聴いたことあるんじゃないか、と思いますよ。

 

それから、TV番組のタイトル音楽ってやつ、

あれも、耳ですりこまれるものですね。

 

ここではひとつだけ、実例を紹介しましょう。

曲は、Kate Bushの“Wuthering Heights”(嵐が丘)。

これ、ある番組の冒頭ではじめて聴いて、かなりビックリしたなあ。

というのも、ぼくは昔からの、ケイト・ブッシュの大ファン。

デビューしたときから、ずっと追っかけていたんです。

妖精のような容姿、超高音のヴォーカルに、

イングランドというよりもケルト的な、マジカルなフンイキ。

でも日本では、超メジャーというわけではない・・・。

そんな彼女のヒット曲が、TVからとつぜん聴こえてきたわけだからね。

 

ピンときてないひとは、ぜひ聴いてみてください。

一瞬で、「ああ!」と思うはずです。

 

 

音楽バナシになると、勢いがとまらなくなるのが悪いクセ。

わかっちゃいるんだけど、さいごにこんなネタ。

 

その昔、“Now Explosion”というTV番組がありました。

最新の洋楽を、ビデオクリップつきで紹介するものです。

番組冒頭、提供スポンサー「JUN」のCMで使ってた、

ガブリエル・フォーレ作曲「シチリアーノ」と、

エンディングテーマの、CSN&YOHIO」・・・。うーん、忘れられず。

 

でもこんな話、わかるひとはごく少数、だろうなあ・・・。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。