Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

「あれ?」・・・違和感CMの、おはなしです。

2016/06/12

CMをウオッチしていると、「あれ?」と思うものに出くわすことがある。

たとえば、10年くらい前だったかな、トータス松本出演のコーラのCMで、

彼が大阪弁でリコメンドする、というのがあったんだけど、

そのバックのSE(サウンド・エフェクトの略です)が、「ミンミンゼミ」の声だったんですね。

 

ぼくは瞬時に、「そこはクマゼミやろ!」って叫んでしまった。

トータス松本が関西代表、という位置づけであれば、

(じじつ、複数のタレントを使って、いろんなバージョンがありました)

そこは、クマゼミでやってほしかった。

ミンミンゼミはやはり東京のモノ、だよねえ。

 

このクマゼミというやつ、夏のある朝とつぜん、一斉に鳴きはじめる。

大阪に来てはじめて、この大合唱に遭遇したとき、

トラックのアイドリングか? と思ったほどでした。

いままでに聴いたことのない類のモンだったからね、ビックリしましたよ。

 

これに対し、東京はアブラゼミとミンミンゼミが主流。そこに、ツクツクボウシなどが混じる。

この、セミの種類の変化が、季節の移ろいを教えてくれたりもします。

 

ただ、東京のセミは、一日中休むことがない。

夜中でもしんしんと鳴く。ボケたやつらだって、必ずいますよね。

午前中だけ騒いであとは静か、というクマゼミとは、大違いです。

 

このクマゼミ、温暖化の影響で、名古屋あたりまですでに進出しているそうな。

ということは、そのうち東京もクマゼミ圏内に呑み込まれるのか・・・。

 

 

・・・おっと、セミの話で、ひとり盛り上がりしてしまった・・・。

 

でも逆に言うと、東京なのか大阪なのかは、セミで表現することができる、

ということになりますね。記号的に機能させることができるわけです。

ちょうど、映画の世界ではよく知られたことですが、

新幹線が、画面を右から左へむかえば、「下り」、

逆であれば「上り」というお約束と、よく似ています。

 

 

さて、「あれ?」CMにもどります。

もうひとつ、ぼくの体験を挙げてみましょうか。

 

これはもう20年くらい前になるかと思うんですが、

あるビールのCMで(出演は、たしか鶴田真由? 自信ないけど)、

さわやかな日射しいっぱいのアウトドア・シチュエーションに、

オフナレで、「晴れたら・・・」と入るんです。

で、はいったその途端、♪~Raindrops keep fallin’ on my headときた。

使用した楽曲が、B,J.トーマスの「雨にぬれても」だったわけです。

「なんでまた?」と思いましたよ。

 

このCMの「あれ?」感だけは、どうにも忘れることができません

 

                 (つづく)

 

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。