Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

大橋巨泉さん!

2016年07月24日
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大橋巨泉さんが、亡くなりましたね。

 

おおくの報道で紹介されてるので、若いひとも知っていると思いますが、

ぼくにとってもすぐに思い出すのは、やっぱり「イレブンPM」かなあ。

高校生のころ、家族で見ていましたっけ、「金曜イレブン」。

 

いま思うと、べつにエロいとか、そんな番組じゃなかったんだけど、

父親がなんか、ぼくがいることで、ちょっと照れてるような、

そんなそぶりを時折見せたこと、よく憶えていますよ。

じつをいうと、高校生のぼくは、巨泉さんより、

「松岡きっこは、色っぽいなあ・・・」彼女ばっかり見てたような気がしますが。

 

 

まあでも、例のCM「はっぱふみふみ」の印象は、強烈でしたね。

俳人の巨泉さんが、なぜ短歌を詠んだのか? という疑問はさておき、

あの三十一文字が、撮影現場での彼のアドリブだった、という話、

オンエア直後から有名でした。ぼくだって、当時から知っていましたよ。

 

おそらくは、「短めの キャップを取れば・・・」みたいな、

なんの面白味もないオリジナル原稿があったんだろうね。

それが、彼の力によって、あんなに流行っちゃうんだからな。

クリエイティブで「飛ぶ」とは、まさにこういうこと、なんですよね。

 

「はっぱふみふみ」・・・当時中学生のぼくは、即座に、

「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の」の歌が浮かびましたっけ。

「パイロット」の社名も、しっかり刻み込まれたし。

まさに、中学生にもヒットしたCMだった、ということになりますね。

 

ちなみに、ぼくの記憶が正しければ、その続編に、

「~ほっぺよれよれ」で終わるバージョンがあった、と思うんだけど、

そっちのほうは、あまり話題にならなかったような・・・。

 

 

でも、この「大橋巨泉=パイロット万年筆」の結びつきは、強いなあ。

つまり、タレントや有名人が、代表作のCMとともに語られるケースが、

とても多いような気がするんですよね。

もっとも巨泉さんの場合は、「はっぱふみふみ」のフレーズとともに、

と言ったほうが正しいのかも、だけれど。

たとえは古いですが、「藤田まこと=あたり前田の~」方式、ってことですね。

 

でもそれが、CMの「耳のこし」の醍醐味、なんでしょうね。

いったん刷り込んでしまったら、勝ち。

半永久的に、記憶に残ることになる。これは、スゴいことです。

 

 

思えば、そういった好例を、「昭和の偉人たち」のなかに、

たくさん見つけることができそうです。

 

たとえば、やはり今月亡くなられた、永六輔さん。

「咳・声・のどに 浅田飴」のナレーションが、すぐに浮かびます。

石原裕次郎さんなら、「松竹梅」のサウンドロゴ。

美空ひばりさんなら、「金鳥の夏、日本の夏」。

高倉健さんなら、「不器用ですから・・・ニッセイ」・・・

 

という具合ですね。他にもたくさんあると思います。

 

 

しかし、そういう「有名人代表作」をつくったクリエイターは、

ぼくから見ても、なんともうらやましい限り!

 

だれでもが知ってるCMをつくれるって、すごいと思う。

どんなにレアな賞取るより、すごいに決まってます!

 

・・・うん、うらやましい!

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。