Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

英文和訳モンダイ!

2016年08月08日
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さて、重たい講釈はこれくらいにして。

 

今回は、英文コピー(=世界戦略)の「和訳」の話をしようか。

これ、ときどき見かけるんですよね。

 

目立つところでは、「インテル入ってる」というのがありますね。

このコピーの英語バージョンは、ご存じのとおり「intel inside」。

英語の語呂合わせ的な感覚を、日本語でも醸しだすことができた。

これはウマいなあ、とずっと思っていたんですが、

ちょっと調べてみたところ、日本語のほうが先、という説もあるようで。

まあ、企業内部の話なんで、真相はよくわからない。

 

でも、どちらが先にせよ、みごとな対応関係ができていますね。

これは、成功している好例、といえます。

 

もうひとつ、Red Bullの「翼をさずける」も、よくCMでお目にかかります。

これは、原文が「Red Bull Gives You Wings」。

こういうカンタンな文ほど、訳すのはむずかしいんですね。

思うに、これはうまくいってないんじゃないかなあ。

この言いかたが、どうも古めかしく、かつ目線高いんですよね。

コミュニケーションを拒絶している。そんな気がしてなりません。

 

「翼をあげる」「翼あげます」「翼をあげよう」「翼、生えます」・・・。

もうちょっといいまとめかた、あったんじゃないかなあ。

 

 

反対に、英文のまんま、というケースも多いですね。

数からいえば、こちらのほうが、CMで出会う確率は高い、と思います。

 

たとえば、MAZDAの「ZOOM  ZOOM」。

これは訳せません。「ブーブー」じゃ、話にならないからね。

 

そのほかにも、あの「Just do it」や「Coke is it」「yes, Coke, yes」、

I GOT THIS」(栄倉奈々のアディダス)などなど、

英語のコピーをそのまま、というケースはわりあい多い。

単純に、英文のほうがカッコイイ、ということもあるだろうし、

意図を直接「感じさせる」こともできるんだろうな。

それに、たとえ「Just do it」の意味がわからくても、

いまは「知恵袋」がちゃんと教えてくれるし。

そういうアクションが、二次展開と拡散を呼ぶことになるので、

浸透と理解をじわじわ得られる、のでしょうね。

 

 

ところで、先ほどもふれたMAZDACMで、

自分の道は自分で決めたほうが、楽しいに決まっている

というナレーションがあったでしょう?

あれ、ぼくはてっきり、「英文和訳」だと思い込んでいました。

It must be a pleasure~みたいな文を想像しちゃったんです。

ところが! 日本製、だったのです。

 

そこでつい、うがった見かたをしてしまうんですが、

あえて英文直訳調にすることで、「世界戦略」感を出してみたのでは?

もしそうだとすれば、狙いは当たっていたんじゃないでしょうか。

 

Be a driver」には(外国人を多数起用しているにもかかわらず)、

「世界」をあんまり感じないのにね。

 

そう、あの一行、ぼくにとっては、なんとも気になりますねえ。。

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。