Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

文字コピー。音コピー。 1

2016年08月11日
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さて。やっとCMのネタに戻れたようです。

 

今回は、CMをいろどる「コピーワーク」の話をしようか。

とくに、本編の後半部分で、全体を締める役割を果たす一行について。

 

 

ぼくの見たところ、大きく2つのタイプに分けられるのかな、と思う。

そうしておくと、いろんな傾向もつかみやすくなるので。

 

まずひとつめは、「タイトル」型。

 

終わりちかくに、おおきく全体を下支えするような、一行。

CMの目的を端的に指し示し、

メッセージとしても機能するように書かれた、骨太なコピーです。

 

例を挙げればキリがないけど、最近では、

「そうだ、京都 行こう」「行くぜ、東北」のようなキャンペーンもの、

「みんながみんな英雄」のような、特別編成にふさわしいもの、

「結果にコミットする」みたいな、企業メッセージもの、などなど。

上記のように、さらにいくつかに分類できそうでもあります。

 

いや、正直な気持ちを吐露すると、

この「タイトル型」の一行を産み出し、人口に膾炙させることは、

コピーライターにとっての無上の歓び、なんですよ。

醍醐味、ってやつかも知れませんね。

 

 

そして、もうひとつのタイプが「タグライン」型。

 

展開されたストーリーや世界観を、

終わりちかくで、商品・サービスや企業へと、ブリッジさせてゆく。

順接だけでなく、裏切りや大逆転もアリ。

ギミックやテクニックが必要とされる、コピーワークといえます。

 

最近の例としては、

「予想外」でつなぐSoftbankものとか、スマホ参勤交代「おもてをあげよ」、

飛騨家具「家族仲のいいお店」などが挙げられるでしょうか。

昔から、とくにキンチョーなどの得意とするところ、でもあります。

 

 

この2つのタイプ、よく見ていくと、

前者が「文字によるコピー」、後者が「音によるコピー」。

そんな傾向がつよいことがわかりますね。

 

たとえば「そうだ、京都 行こう」はスーパー扱い。

けっして声に出して読みませんね。

また、Softbankの場合は逆に、ナレーションによる扱いだけになっている。

 

もちろん、例外もたくさんあります。

「行くぜ、東北」はスーパーとナレの両方を使っているし、

「おもてをあげよ」は文字として出している。

 

当然のことながら、決めごとなどあるわけもなく、

それぞれの作品が、最大効果を発揮するために、

臨機応変の判断がはたらいて作られていることは確か、なのですが、

おおきな流れ・傾向としては、上記のように言える、と思っています。


                                     (つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。