Room708
名づけて「直也の部屋」。 編集長が、プロフェッショナルな立場から、広告を語り尽くします。

文字コピー。音コピー。 2

2016年08月14日
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まあ、自分の経験に照らして、こんなことも言える、と思います。

 

あらかじめ表現のネタがある場合、コピーは「タグライン」的発想になる。

キャッチフレーズ制作が優先する場合は、「タイトル」的発想になる。

 

どちらか一方しかやらない人もいるし、両方得意な人もいる。

ぼくの場合は、うん、両方できるんですけど、後者のほうが断然「好き」ですね。

 

 

ここでちょっと振り返ってみると、おおよそ1990年代をとおして、

「文字コピー」と「音コピー」との間に、戦いがくり広げられたのですね。

結果、「音コピー」が勝利し、業界に「CMプランナー」の時代が訪れた・・・。

 

じじつ、ぼくのいた会社でも、どんどんCMプランナーをつくって対応してた。

コピーライターのみならず、デザイナーですら、

CMプランナーへと肩書きを変更する人間が、多くいました。

たしかに、ビール・クルマ・携帯キャリアをはじめとする通信系といった、

大口スポンサーのCM制作は、いっとき増えましたね。

CMプランナー発想による「音コピー」が、全盛を迎えるわけです。

 

でもここのところ、また「文字コピー」が、勢いを盛り返してきてる。

そんな気がしてなりません。

なぜそんなことが言えるのか? ちょっと考えてみました。

 

    「音コピー」といえば、TVCM。そのTVに、メディアとして陰りが見えてきた、

ということが、大きな流れとしてはあるのでしょうね。

    「音コピー」が、ほんらいの批評精神やギミックの面白さをはなれて、通販的とも

いえるような、ストレートトークに偏ってしまったことも、否定できません。

    「文字コピー」が、その主戦場であったグラフィック媒体の衰退を受け、映像媒体の

ほうに打って出てきた。これもありますね。

    そして、長尺がつくりにくい日本では、ストーリー性よりも瞬間芸が優先され、そもそもタグライン型には不利、

   という構造的なモンダイも、あるかも知れません。

 

うーん、ちょっと希望的な見方にすぎる、かも知れない。

でも、ぼくは一コピーライターとして、

どうしても「文字コピー」の側に肩入れしてしまいます。

それって、しょうがないよね。

ずっとコピー書いて、グラフィック畑で育ってきた人間、だからねえ。

 

まあ、だからこそCMをある程度、客観的に見られる、ということで、

けっして間違っちゃあいない、と思うけどね。

 

 

 

 

 

岡田直也
1955年東京生まれ、札幌育ち。
現在の本拠は大阪・南堀江。
東京・大阪・札幌各コピーライター
ズクラブ会員、エンジン01文化戦略
会議会員、甲南女子大学講師。
各地に私塾を開催、若手の育成にも
力を注ぐ。また年に一度のライブに
命を燃やすミュージシャンでもある。